宇宙での食料生産と健康研究に12件の新規課題——NASAが人類の長期探査を支援

NASAが人間の宇宙探査を支援するための12件の新たな研究課題を選定した。このうち6件は宇宙での食料生産能力の向上に向けたもので、残る6件は宇宙探査に伴う独特の環境条件が宇宙飛行士の健康と生理機能にどのような影響を与えるのかを解明する研究である。

宇宙での植物栽培——月面・火星探査の鍵

食料生産に関連した6件の研究はNASAの「Space Crops」助成金プログラムに支援されており、宇宙での植物の力を活用することで宇宙飛行士の生活の質を向上させ、月面および火星探査を実現するというNASAの目標を推進するものとなっている。

このうち4件の提案は、食用植物がどのように成長し、その生理機能や関連する微生物群集が宇宙環境または他の天体表面の環境条件によって影響を受けるかに関する研究である。別の1件は、極度の乾燥条件に耐えることができるレジリエンス植物と呼ばれる特定の植物種がどのような仕組みでそれを成し遂げるのかを理解することに焦点を当てている。残る1件の提案は、国際宇宙ステーションでの先行研究の成果を基に、宇宙飛行によって発現が変化する藻類遺伝子(藻類の生存を制御するDNAの一区間)の機能を解明しようとするものである。こうした研究は、生物学的解決策を宇宙生命維持システムに統合するうえで科学者たちを支援する。

宇宙環境が人体に及ぼす影響への科学的アプローチ

残る6件の提案はNASAの生物・物理科学部門(Biological and Physical Sciences Division)による精密医学(precision health)の取り組みの一環であり、宇宙探査がいかにして健康と福利厚生に影響を与えるのかそのメカニズムを解き明かすことを目指している。その中の1件は、月面塵への露出が人体にもたらす影響を研究する課題である。

関連動画

出典: NASA Breaking News