オーストラリアの地球観測衛星企業、インド市場での足がかり確保
オーストラリアの地球観測衛星企業LatConnect 60(LC60)は、インドの宇宙開発戦略における重要な位置付けを進めている。同社は9月7日にベンガルール宇宙博覧会2026で、インド政府系機関NewSpace India Limited(NSIL)とインドの地球空間情報企業GeoSyze EO Solutions LLPとの戦略的協定を発表した。この二つの協定により、LC60が開発中の短波赤外線衛星コンステレーション「SWIRSAT」の運用基盤とインド市場への販売経路が同時に確立されることになった。
政府系インフラとの連携で運用支援体制を構築
NSILとの協定では、LC60がSWIRSAT-1とSWIRSAT-2の二機の衛星に対して、テレメトリ、追跡、指令サービスを提供する。両衛星は2027年の第1四半期と第2四半期にそれぞれ打ち上げられる予定である。協定によってNSILの地上局インフラへのアクセスが可能になり、SWIRSATの運用支援と衛星データの下り受信が実現する。これはLC60の全球ネットワークにインド拠点を新たに加える意味を持つ。協定調印式には、オーストラリアのフィリップ・グリーン駐インド高等弁務官やオーストラリア宇宙庁を含む複数の関係機関が臨席した。
インド防衛市場への商用経路を開設
GeoSyzeとの協定では、同社がLC60の戦略的顧問およびチャネルパートナーとして機能する。GeoSyzeはインドの防衛・セキュリティ・情報部門に向けて、LC60の地球観測データセット、将来のSWIR(短波赤外線)製品、高度な分析ツールの提供を仲介する。GeoSyzeは衛星データ、地球空間情報、分析、防衛・セキュリティ・情報応用向けソリューションで実績を有する企業である。
LC60はSWIRSATコンステレーションの開発加速を進めている。パース拠点の同社は、2029年までに18衛星規模、2035年までに100衛星超への拡大を目指す構想を掲げている。衛星による収集、地上インフラ、データ処理、AI対応分析を統合したアーキテクチャにより、防衛、農業、資源、海事、環境分野へのサービス提供を想定している。インドはこうした事業展開において、単なる顧客市場にとどまらない。世界有数の宇宙インフラを持つNSILとの連携、インド太平洋地域での最大級の防衛・地球空間情報市場へのアクセスという、戦略的に重要な位置付けになっている。
出典: SpaceNews
