エアバス・ディフェンス・アンド・スペース(ADS)が地球の風速を監視する衛星「エオロス2号」(Aeolus-2)の開発・製造を担当することが決定しました。これはヨーロッパの気象観測能力を大きく強化する重要なプロジェクトです。

後継衛星が果たす役割

エオロス2号は、前身となるエオロス1号の後継機として設計されています。エオロス1号は2018年の打ち上げ以来、大気中の風速分布をレーザー技術で測定し、気象予報の精度向上に貢献してきました。後継機はこの観測能力を継承しながら、より長期間にわたって風速データを収集することが期待されています。

衛星に搭載されるライダー(LIDAR:光を用いた検出・測定技術)は、大気圏下部から上部まで風速プロファイルを3次元的に捉える能力を持つとみられます。これにより、台風やハリケーンなどの激しい気象現象の予測精度が向上し、防災活動の効果的な計画立案に役立つデータが得られるようになります。

ヨーロッパの気象観測戦略

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は「地球観測ミッション」戦略の一環として、複数の専門衛星で地球環境を包括的に監視する体制を構築しています。エオロス2号はその重要な柱の一つです。

このプロジェクトには欧州連合(EU)も出資しており、気象予報精度の向上は農業・航海・航空などの産業にも直結する価値があります。打ち上げは2030年代前半を予定しており、エオロス1号の運用終了までの間隙を最小限に抑える計画が進められています。宇宙からの継続的な風速観測は、気候変動研究にとっても欠かせない基盤となるでしょう。

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