19年前の火星探査機フェニックス、NASAが打ち上げた歴史的ミッション

2007年8月4日、NASAは火星探査機フェニックス(Phoenix)をデルタII ロケットで打ち上げた。この無人探査機は、火星の北極地域に着陸し、凍土(永久凍土)の調査と生命存在の可能性を探るミッションとして注目されていた。フェニックスの名称には、前年に失敗に終わったスコット(Scott)火星ポーラーランダーの設計を再利用したという、失敗から学び復活するという意味が込められている。

北極域での凍土調査という新たな挑戦

フェニックスは翌2008年5月、火星の北緯68度付近に着陸した。火星表面の凍土サンプルを掘削できる機械式アーム(Robotic Arm)を備え、採取した土壌を機内の分析装置に送り込んで科学的調査を実施した。従来の火星探査機は赤道付近での調査が中心だったのに対し、フェニックスは北極圏という異なる環境での観測という点で革新的だった。地表での気象観測も重要なミッションの一部であり、温度や気圧、塵嵐など火星大気の特性を多角的に解明する計画だった。

有機物検出と生命可能性への期待

ミッション期間中、フェニックスは火星の土壌から塩類やミネラル成分を発見し、かつて液体の水が存在していた痕跡を確認した。2008年と2009年にかけて土壌分析を続け、有機物の痕跡についても報告されている。これらの発見は、火星がかつて生命存在に適した環境であった可能性を強く示唆した。フェニックスのデータは以後の火星探査計画の立案に大きな影響を与え、NASA、ESA(欧州宇宙機関)、さらには国際的な火星探査プログラムの基礎となった。

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