パルサーが伴星の「風」をつかまえる瞬間を初観測
日本主導のX線撮像分光ミッション(XRISM)が、巨大な星から吹き出す物質の流れが、コンパクトな伴星によって捕捉され、強いX線フレアの源となる様子を直接観測した。この成果は9月18日、科学誌『Science Advances』に論文として掲載された。
UMBC(メリーランド州ボルチモア・カウンティ大学)およびNASAゴダード宇宙飛行センターの研究者ロイ・ラヒンは「これまで、コンパクト天体に落ち込む風のプラズマが明確に観測されたことはありませんでした。これにより、こうした現象をより詳細に検証することが可能になります」とコメントしている。
巨大な青い星からの「恒星風」
観測対象はBP Crucis(南天のみなみじゅうじ座に位置する連星系)である。約13,000光年離れたこの系の主星はWray 977と呼ばれ、太陽の40倍の質量と60倍のサイズを持つ青色超巨星だ。この星は極めて高温で光度が高いため、イオン化したガスが常時流出する現象——恒星風(stellar wind)が発生している。
パルサーによる物質の捕捉
この連星系にはパルサー(高速回転する中性子星)が伴星として存在する。パルサーは4日周期で青色超巨星の密度の高いプラズマの流れを通過する際、その一部を引き寄せることで、X線の明るさがフレアのように増加する仕組みだ。XRISMによるこの詳細な観測により、恒星風がいかにしてコンパクト天体のエネルギー源となるのか、その過程を前例のない精度で追跡することができた。
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