二つの小惑星が初めて分離して撮影された

欧州宇宙機関(ESA)が主導し、NASA及び宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力するHeraプローブが、連星小惑星ディディモス(Didymos)とディモルフォス(Dimorphos)を初めて二つの天体として分離して撮影することに成功した。2024年10月に打ち上げられたHeraは、現在この連星小惑星から約1,280キロメートルの距離まで接近している。撮影画像では、従来は一つの点として見えていた小惑星系が二つの天体として明確に識別できる状態となっている。

ディディモスは直径約780メートル、ディモルフォスは直径約151メートルと推定されており、両者は相互に公転しながら太陽の周囲を回っている。撮影時点で、この連星小惑星系は地球から約197万キロメートル離れた位置に存在している。

ESAシステム部門責任者でHera計画マネージャーのイアン・カルネリ(Ian Carnelli)は「Heraの目を通じて初めて、この計画のために設計・建造された連星小惑星系を観測することができた」とコメントしている。さらに詳細な画像は2026年11月25日に公開予定となっており、Heraが小惑星に接近するにつれ、画像はより鮮明になるとされている。

DART衝突実験後の追跡調査へ

Heraの主要な使命は、NASAが実施した小惑星防御実験(DART)の後続調査である。2022年9月、DARTはディモルフォスに秒速6.1キロメートルで意図的に衝突させた。この衝突によりディモルフォスのディディモス周辺での公転周期は32~33分短縮され、当初の目標値である最低73秒を大きく上回る成果をもたらした。同時に衝突時には、ディモルフォス表面から最大1万キロメートルまで放出物が飛散する様子も観測されている。

Heraは直接ディモルフォス表面に接近できないため、ミラーニ(Milani)とユベンタス(Juventas)という二つのシューボックスサイズのキューブサット(CubeSat)を投入する計画である。ミラーニはDART衝突地点の詳細な鉱物分析を、ユベンタスは地表下100メートルの領域を調査できる地中透過レーダー(GPR)を使用してディモルフォスの内部構造が固い岩盤か砕けた岩塊の集合体かを判定する。これまで研究者の間では両方の可能性が指摘されていた。

小惑星衝突防止への世界的関心の高まり

小惑星防御への関心は科学界だけにとどまらず、世界各国の政府レベルでも急速に高まっている。太陽系内で地球の軌道と交差する小惑星の数が従来の予想より多いこと、また2013年のチェリャビンスク隕石衝突で1,500人以上が負傷した事実が、この危機感の背景にある。チェリャビンスク隕石はビルの窓を吹き飛ばし、主にガラス飛散による怪我をもたらした。

NASAのDARTとESAのHera計画は、地球への衝突が広範な死傷と破壊をもたらしかねない小惑星に対し、どのように対処すべきかという重要な知見を提供している。

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出典: Universe Today