NASA、ハッブル宇宙望遠鏡の商業サービス利用を検討

NASAは10月29日、ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)の軌道上サービスに関する民間産業の能力を把握するため、情報提供要請(Request for Information)を発行した。同望遠鏡の運用継続と寿命延長を実現する手段を模索する動きだ。

ジャレッド・アイザックマン(Jared Isaacman)NASA長官は声明で、「ハッブルにはまだ重要な科学研究が待っている。できるだけ長く科学成果を生み出し続ける機会をあらゆる角度から検討すべきだ」と述べた。軌道上にある資産の寿命を革新的かつ費用効率的に延長する方法があれば、米国納税者と科学コミュニティに対して責任がある、との姿勢を示している。

検討対象となる3つの選択肢

今回の情報提供要請は、民間産業の参入可能性を3つのシナリオで探っている。まず、ハッブルをより高い軌道に引き上げるミッションの実施だ。軌道高度の上昇により、科学観測を続けられる期間を延長できる。次に、望遠鏡そのものの改善を伴うサービスで、観測能力の向上も視野に入っている。最後に、ハッブルのミッション終了時における安全で統制の取れた大気圏への再突入、もしくは軌道上での廃棄処理である。

ニッキー・フォックス(Nicky Fox)NASA本部科学ミッション部門副管理官は、ハッブルについて「35年以上にわたって人類の宇宙観を根本的に変えた国家的アイコン」と評価した。近年、民間産業が軌道上での衛星捕捉(satellite capture)と衛星サービス能力を急速に進化させている状況を踏まえ、商業的な解決策の活用可能性が高まっているとみられる。

35年の科学的遺産を活かす模索

ハッブルは1997年2月の第2次サービスミッション後、改善された状態で軌道に戻った。以来、宇宙への人類の理解を大きく深めてきた。今回の情報提供要請は、この長年にわたる実績と能力を生かし、さらなる発見と科学的成果を生み出す道を模索する試みといえる。民間のイノベーションと公的な宇宙資産の活用を組み合わせ、限定的な資源をより効果的に活かす選択肢として機能する可能性がある。

関連動画

出典: NASA Breaking News