宇宙ゴミを再利用して月・火星帰還用の次世代耐熱シールドを検証―NASAが大気圏再突入実験を実施

国際宇宙ステーション(ISS)から切り離される補給船の最後の瞬間を活用して、NASAが将来の月・火星ミッションの安全性を高める研究を進めている。10月7日、ノースロップ・グラマン社の補給船「Cygnus XL 24」がISSから離脱した際、12個の小型実験カプセルを搭載していた。これらのカプセル内には、NASAジョンソン宇宙センター(ヒューストン)の研究者らが設計した3Dプリント製の耐熱シールドが格納されている。

この実験は「ケンタッキー再突入探査実験第3号」(KREPE-3)と呼ばれるプロジェクト。低コストながら高い科学的価値を生み出す一連の実験の第3弾にあたり、大気圏再突入の最終段階でカプセルから放出されるデータを収集することで、将来の熱防護材料に関する知見を蓄積する仕組みになっている。

大学と連邦機関が連携した実験設計

KREPE-3はケンタッキー大学と州政府、NASAの競争的研究活性化プログラム(EPSCoR)、複数のNASA拠点、および民間パートナーの協力で成り立つ。NASAヘッドクォーターズ(ワシントン)のEPSCoR プログラムマネジャーであるデイビッド・バーガー氏は、このプロジェクトについて「次世代の科学者・エンジニアが教育と NASAのミッション目標の両面で利益をもたらすユニークなプロジェクトを開発している。EPSCoRの目標を体現する良い例」とコメントしている。

補給船の最終的な軌道離脱を単なる廃棄ではなく科学実験の場として転換するこの手法は、限られた予算で最大の成果を引き出す宇宙開発の効率性を示唆している。

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出典: NASA Breaking News