宇宙から降り注ぐ人工光——50000基の軌道鏡が夜空を奪う

カリフォルニアの企業リフレクト・オービタル(Reflect Orbital)が計画している軌道上の巨大鏡による地表照明システムが、天文学者たちの深刻な懸念を招いている。天体物理学ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)に受理されたばかりの論文が、この計画の影響を具体的な数値で示したのだ。

リフレクト・オービタルのテスト衛星「イーレンディル1号」(Eärendil-1)は、高度600キロメートルの軌道上で18メートル×18メートルの反射鏡を搭載し、直径2.5キロメートルの日光ビームを地上の指定地点に照射する。夜間の太陽農場照明や災害救助現場の照明が売却対象とされている。しかしこれは序章に過ぎない。同社は約50000基の衛星からなる大規模な衛星群の構築を構想しており、本格運用版の鏡は54メートル×54メートルまで拡大される予定である。

満月をはるかに凌ぐ光の強度

ガスパール・バコス(Gáspár Bakos)らが率いた研究チームは、大気物理学の手法で光の散乱を詳細に分析した。54メートルの鏡からの反射光は、空気中を直進するほか、レイリー散乱とエアロゾル散乱によって周辺の空全体に拡散する。その結果は衝撃的である。

ビーム直下の観測者が目にする光は、等級にして約マイナス16.7。満月(マイナス12.7等)よりも4等級も明るい。ビームの外に出ても容赦されない。半径14キロメートル離れた地点からでも、散乱光だけで満月よりも明るく見え、半径34キロメートルからでも満月を上回る明るさが保たれる。その拡散した背景光は、日没直後の薄暮(たくぼ)に匹敵する明るさとなり、極めて明るい星以外をすべて消し去る。もし同じ地点で400基の鏡を同時に稼働させれば——同社の長期計画ではそれが想定されている——その光の影響は80キロメートル先からでも検出可能になる。

誰が夜空を支配するのか

本質的な問題は単一の衛星ではない。いったい誰が夜空の見え方を決定する権利を持つのかという問いである。イーレンディル1号は2026年7月、1800件を超える公開コメントと、アメリカ天文学会(American Astronomical Society)および暗い空を守る団体からの正式な異議申し立てを受けながらも、FCC(連邦通信委員会)の認可を通過した。光害と天文観測への干渉は規制機関FCCの責務ではないとの判断である。他のどの機関がこの問題を引き継ぐかは未定のままだ。

庭先の望遠鏡で土星の姿を初めて見たいと願うアマチュア天文家、暗さを生活の基盤とする夜行性動物や渡り鳥、農村部の暗さと静寂を求めて移住した人々、そしてイギリスを含む世界の数少ない暗い空域に何時間も車を走らせてたどり着く人々。この計画の決定過程で発言権を持たない人びとの存在が見落とされている。単一の試験衛星が夜空の終わりではない。しかし、「オンデマンド日光」という商品がその購入者以外のすべての者にどのような代償をもたらすのか、これは極めて明確なプレビューとなっている。

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出典: Universe Today