NASAの火星有人ミッション想定実験、1年間の隔離生活を完了
NASA(米航空宇宙局)ジョンソン宇宙センターでの火星環境シミュレーション実験が、節目を迎えた。CHAPEA(Crew Health and Performance Exploration Analog)ミッション2の4人の乗員が、2025年10月19日の入居から丸1年を経過し、長期隔離環境での生活と業務を続けている。
乗員はロス・エルダー船長、エレン・エリス医療士官、マシュー・モンゴメリ科学士官、ジェームス・スパイサー飛行エンジニアの4名。彼らはヒューストンのジョンソン宇宙センター内にある1,700平方フィートの3Dプリント製ハビタット(居住モジュール)で、火星での生活を想定した任務に従事している。
限定された資源下での実験活動
この365日間、乗員たちは火星上にいるかのように行動してきた。作物の栽培と資源管理、通信遅延への対応、火星表面を想定した宇宙服着用での船外活動(EVA)など、実際の火星ミッションで直面する課題を経験している。
ミッション全体の予定期間は378日であり、1年の区切りを迎える現段階では、NASAの科学チームが乗員から収集した健康および業務パフォーマンスデータの処理準備を進めている。
将来の火星長期滞在へ向けた知見
このシミュレーション実験から得られるデータは、NASAが火星への長期ミッション計画で直面する課題を理解し、宇宙飛行に伴うリスク軽減策の開発に役立つ。プロジェクト責任者のグレース・ダグラスは、1年間の成果について「乗員たちがペースが速く要求の厳しい任務に対して示した献身と達成に、われわれは非常に誇りを感じている」とコメントしている。
