月往還の人間搭乗テストに合格 アルテミスII号の遮熱板、厳密な分析で性能確認

オリオン宇宙船(Orion spacecraft)の遮熱板が、月周回ミッションの過酷な環境を耐え抜いた。NASAが実施したアルテミスII号ミッションの後分析で、遮熱板(heat shield)が当初の性能予測通りに機能したことが確認された。人間が搭乗してオリオンで月周回飛行を行い、地球への帰還を成し遂げたのは、このミッションが初めてだ。

秒速39倍、4000度超の過酷な環境を克服

アルテミスII号では4名の宇宙飛行士が月周回を経験し、安全に地球へ帰還した。この成功は将来的な月面へのクルー輸送ミッションの基礎となる。帰還時の過程で、オリオンは音速の39倍という最大速度に達した。船外の温度は華氏4000度を超える極限環境を記録している。

一方、船内では乗組員がおかれていた環境は別だ。機密保護システムが適切に機能し、4名の宇宙飛行士が船内にいる間の気温は華氏70度中盤(摂氏21~24度相当)程度に保たれていた。大気圏再突入時の熱から乗組員とオリオンのシステムを守るため、遮熱板が確実に役割を果たしたことが検証されたのである。

前ミッション分析を踏まえた改良

NASAがこの成果にたどり着くまでの道のりは決して短くない。アルテミスI号の遮熱板に関する詳細な分析結果が、次のステップへ向けた指針となった。カリフォルニア州シリコンバレーにあるNASAのエイムス研究センター(NASA's Ames Research Center)では、アークジェット試験による広範な材料実験が行われていた。そうした知見を踏まえ、アルテミスII号に向けてオリオンの大気圏再突入軌道が修正された。具体的には、地球大気圏突入時に航空機が進む最大ダウンレンジ距離(最大下流距離)を短縮する設定変更が加えられている。

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出典: NASA Breaking News