流星観測の中核組織がサイバー攻撃で機能停止へ 国際流星機構の基盤システムに「致命的被害」
流星や火球の観測データを世界的に集約する非営利団体・国際流星機構(International Meteor Organization、IMO)が、サイバー攻撃により深刻なシステム障害に見舞われた。同機構は9月16日、ウェブサイトに掲載した告知で、老朽化していたインフラストラクチャが「致命的な被害」を受けたことを明かし、新しいシステムへの移行期間として数週間にわたる部分的なダウンタイムが生じることを予告している。
火球観測の報告に優先順位を設定
国際流星機構は1988年に正式に設立された組織で、アマチュアと専門家による流星現象の観測データを統合し、共通の報告基準を確立する役割を担ってきた。同機構が管理するデータベースには、テキスト、写真、動画を含む流星と火球の観測記録が蓄積されており、この分野の研究者からは欠かせない資源と見なされている。また、隔月刊行の学術誌「WGN」(Working Group News)の発行も同機構の重要な活動だ。
攻撃の影響が広がる中、国際流星機構は火球の観測報告を最優先で対応することにしている。当面、火球情報は別途設けられた報告窓口での受け付けが継続される一方、その他の情報提供はフェイスブック上で行われている。
攻撃動機は謎のままに
今回の事案は、宇宙に関連する組織へのサイバー攻撃として珍しいケースとなっている。流星観測データの多くが公開情報であるため、情報の窃取を動機とした攻撃である可能性も不明確だ。米国防当局は2023年に、宇宙開発、観測、研究に関連する公民両部門の組織が、国家支援型のハッカーの標的になる可能性を警告していた。これまで同様の攻撃事例としては、2011年にルーマニア人男性がNASAのシステムを破壊した事件、国立科学財団(NSF)のNoirlabが受けたハッキング、チリのアタカマ・ラージ・ミリメータ・アレイ(ALMA)観測所へのサイバー攻撃が挙げられる。2023年にはアメリカ気象学会がランサムウェア攻撃の被害を受けている。一方、今回の国際流stars機構の攻撃については、これまでのところ犯人の名乗り出や身代金要求の報告は報告されていない。
カンピオン大学天文学部の准教授サム・ローラー氏は、同機構のサイト停止について「非常に残念だ。このシステムは本当に有用なものなのに」と述べている。