2035年までに6500基以上、地球観測衛星ラッシュの時代へ
地球観測衛星(EO)の急速な増加が見込まれている。コンサルティング企業Novaspaceが2026年8月に発表した最新報告書「地球観測衛星システムレポート」によれば、2035年までに6500基を超える地球観測衛星の打ち上げが予定されており、製造業の売上は1559億ドルに達すると予測されている。政府が主権的な情報収集・監視・偵察(ISR)能力の拡張を進める中、この数字は地政学的な競争の激化を映し出している。
防衛ニーズが主導する新たなアーキテクチャ
Novaspaceのコンサルタント、フェデリコ・バンフィ氏は「ゲームのルールが変わりつつある」と指摘する。従来、地球観測性能は画像解像度によって評価されてきたが、防衛ユーザーの関心は今、リビジット間隔(観測間隔)、常続監視能力、広域カバレッジへと移行している。迅速な意思決定を支援し、継続的な監視を実現するために、より大規模なコンステレーション(衛星群)と多様なセンサー構成の需要が高まっているのだ。
この傾向は、合成開口レーダ(SAR)、光学センサー、電波周波数(RF)ペイロードを組み合わせたマルチセンサーコンステレーションの採用を加速させている。複数の情報源を統合することで、オペレーターは一層堅牢で包括的な地球観測能力を提供でき、防衛要求に応えられるようになる。
バンフィ氏は「防衛ユーザーが地球観測能力への主権的なアクセスをますます必要とする一方で、商用事業者がそれを実現するうえで不可欠なパートナーになりつつある」と述べている。この構造的な変化は、衛星コンステレーション設計、センサー戦略、そして地球観測市場全体を再編成している。
標準化される衛星バス、高まる統合需要
衛星産業では「スカイスクレーパーモデル」と呼ばれる新しいパラダイムが広がりを見せている。衛星のバス部分が標準化される一方で、付加価値は先端ペイロード統合と多層インテリジェンスの構築へシフトしている。地球観測コンステレーションが規模と複雑性を増す中で、相互運用性、フェデレーション、フリート管理への需要も増加。こうした動きが商用市場と防衛市場の融合を加速させ、主権的な地球観測能力が2035年までの市場成長を牽引する主要因となると見込まれている。
出典: SpaceNews
