ニューホライズンズ探査機の観測データから、冥王星の衛星シャロンが過去に現在の10倍以上の速度で自転していたことが明らかになった。シャロン表面の山々の配置パターンが、この劇的な自転速度の変化を物語っているという。
古代の高速自転を示す地形の証拠
シャロンの表面に存在する山脈や隆起した地形は、かつての高速自転に対応した独特の配置をしているとみられる。高速で回転する天体では、遠心力の影響で赤道付近に質量が集中しやすくなり、山々もそうした条件下で形成される。現在のシャロンの地形を逆算すると、かつては秒単位で複数回転する速度で自転していた可能性が高まっている。時間とともに潮汐摩擦により自転が減速し、現在の速度に至ったと考えられている。
潮汐ロッキングへの進化過程
冥王星の重力に引き寄せられたシャロンは、徐々に自転速度が低下し、最終的に潮汐ロッキング状態(tidal locking)に達した。この状態では、衛星が母惑星に対して常に同じ面を向く結果、自転周期と公転周期が一致する。シャロンの場合、約6日間でこの状態に落ち着いたとされ、現在も冥王星に向いた側は変わらない。山々の分布は、この進化プロセスの地質学的な「記録」として機能しており、太陽系の衛星形成と進化に関する重要な知見をもたらしている。今後の詳細な地形解析により、シャロンだけでなく他の衛星の歴史解明にも貢献することが期待される。
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