国際宇宙ステーションで進む3Dバイオプリンティング実験

国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で、NASA宇宙飛行士ジェシカ・ワトキンス氏が微小重力環境での細胞印刷実験に取り組んでいる。2026年10月9日、ワトキンス氏はきぼうのライフサイエンスグローブボックス内で生細胞サンプルとバイオインク(生体適合性インク)を混合し、得られた細胞インク混合液を専用カートリッジに充填する作業を実施した。遠隔操作が可能な装置内での精密な操作だ。

微小重力で軟骨組織を高品質に製造

この実験は「InSPA-Auxilium Bioprinter-Cell Printing調査」と呼ばれるプロジェクトの一環である。焦点は宇宙の微小重力環境で3Dバイオプリンティング技術を用いて軟骨組織を製造することにあり、地球上で生産したものより高品質な組織の製造が可能かを検証している。軟骨は複雑な立体構造を持つ組織であり、地上での製造技術には限界がある。微小重力ならではの製造条件が、より緻密で機能的な軟骨組織の開発を実現できるかが試されている。

地球上の患者と宇宙飛行士への応用可能性

研究成果が確実になれば、軟骨を工業的に製造する能力の向上につながり、地球上の患者の治療に役立つほか、長期の宇宙ミッションに従事する宇宙飛行士の健康維持にも応用される可能性がある。骨関節の損傷治療や再生医療の新たな選択肢として注視される。ワトキンス氏が属する第75次長期滞在(Expedition 75)のミッションで得られるデータが、今後の医療技術発展の基礎となる。

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出典: NASA Breaking News