アポロ11号を支えた「ソフトウェア工学の母」マーガレット・ハミルトン、90歳で逝去
ソフトウェア工学という概念を生み出し、1960年代のNASAアポロ計画における搭載飛行制御ソフトウェアの開発を主導したマーガレット・ハミルトンが先週、90歳で亡くなった。
ハミルトンは2016年に大統領自由勲章を受賞。翌2017年にはLEGOのミニフィグ化され、宇宙飛行士のメイ・ジェミソンやサリー・ライドを含む「Women of NASA」セットの一部として製品化されるという栄誉に浴した。
黎明期のソフトウェア技術で人類史上最高難度のシステムを構築
MIT航空宇宙工学部の暫定責任者であるオリヴィエ・ドゥ・ウェック氏は、ハミルトンの業績について次のように述べている。「ハミルトンが先駆者だった、時代に先んじていたというのは大きな言い方ではない。ソフトウェア工学という分野がまだ幼生期にあった時代に彼女は技術者として活躍し、自らが高度なコードを開発しただけでなく、発展途上であったその最新技術を使用して人類がこれまでに達成した最も複雑なシステムの一つを開発するチームを率いた」と述べた。氏はさらに「アポロ計画は今日でも、協働、創意工夫、エンジニアリングの力についての人類の最高の証の一つとして存続している。ハミルトンはそのプログラムの成功に対して根本的な貢献者だった」と評価している。
数学の才を育んだ家系から宇宙開発へ
1936年にインディアナ州ポーリで生まれたハミルトンは、1958年にアールハム大学を卒業した。専攻は数学で、副専攻に哲学を選んだのは、詩人である父親と、学園長であった祖父の影響による選択だったとされる。同年、最初の夫であるジェームス・コックス・ハミルトンと結婚した。当初の人生計画では、夫がロースクール卒業後に支援を受けながら自身が数学の博士号取得を目指すというものだった。
