高解像度地球観測カメラの新世代機器へ、ベルギーとスペインの企業が協業
シメラ・センス(Simera Sense)とIDOMは2026年9月17日、次世代型の超高解像度地球観測カメラ「マルチスケープ350」(MultiScape350)の光学システム開発・製造における戦略的パートナーシップを発表した。ベルギーに本部を置くシメラ・センスは衛星搭載イメージング・ペイロード(観測機器)の開発で定評があり、スペイン・ビルバオを拠点とするIDOMは先進的な光学設計と光学機械工学の専門企業である。両社の強みを統合することで、商用・民間・政府部門から急増する高解像度地球観測画像への需要に応える狙いだ。
役割分担で開発を加速
IDOMが担当するのはマルチスケープ350の光学フロントエンド(OFE)の開発と製造である。一方、シメラ・センスはセンサー・サブシステム、電子機器、熱管理、キャリブレーション手法、衛星インターフェースと統合アーキテクチャ、そしてペイロードの製品化全般を担う。このように異なる領域での専門性を組み合わせることで、衛星プラットフォームの小型化や軽量化、低消費電力化という制約条件のなか、超高解像度イメージング機能を実現する設計が可能になるという。
調査機関ノバスペース(Novaspace)の予測では、2035年までに6500基以上の地球観測衛星の打ち上げが見込まれている。各国政府が主権侵害対策や情報収集機能を強化する動きが背景にあり、その過程で高精度な観測機器の需要が飛躍的に高まっている。
ヨーロッパ内での産業基盤強化
シメラ・センスのチーフエグゼクティブオフィサー(CEO)であるヨハン・デュ・トワイト(Johann du Toit)氏は、両社間で「エンジニアリングの卓越性、開放性、優秀な宇宙機器の提供に対する共通の強い決意」が構築されたと述べた。IDOMの天文・宇宙部門責任者ガイスカ・ムルガ(Gaizka Murga)氏は本パートナーシップを「先進的な宇宙技術における力強いヨーロッパ協業」と位置づけている。
シメラ・センスは現在、世界中の60以上の衛星メーカーや研究機関に画像処理技術を提供している。マルチスケープ350プラットフォームはこうした実績の上に、RGB、ビデオ、マルチスペクトル、ハイパースペクトルといった多様な観測用途に対応する製品ラインアップをさらに拡張させる案件となる。IDOMとの協業により、シメラ・センスは産業規模での製造能力を強化し、ヨーロッパ内のサプライチェーンを一層整備する基盤も整った。
出典: SpaceNews
