ブラックホールが銀河より急速に成長する事例が発見——宇宙進化の常識に挑戦

ほぼすべての銀河の中心には超大質量ブラックホール(supermassive black hole)が存在する。銀河とそこに宿るブラックホールは進化の歴史を共にしてきたというのが、これまでの有力な見方だった。実際、超大質量ブラックホールの質量は一般に銀河全体の質量の約0.5%に相当する。この一貫した比率は、両者の強い結びつきを示唆していた。

しかし最近の研究で、この関係を揺るがす異例なブラックホールが8個も見つかった。Brian Koberleinnの報告によれば、研究チームはeROSITA X線望遠鏡と他の観測データを用いて、2万個以上のクエーサーを調査した。クエーサーは活動的な超大質量ブラックホールによって駆動されており、ブラックホール周辺の物質を吸い込む過程でX線や電波などの強大なエネルギーを放出する。クエーサーの光度はそのブラックホールの質量に関連するため、ブラックホール質量の分布を調べるには最適な天体だ。

通常の200対1から、20対1への異変

銀河の質量とそこに存在するブラックホールの質量を比較した結果、8個のクエーサーは明らかに外れ値を示した。通常は200対1の質量比が、これらのシステムでは20対1だったのである。つまり、これらのブラックホールの質量は銀河全体の約5%にも達していた。

さらに注目すべき点として、これら8個のうち3個は観測サンプル全体でも最も明るいクエーサーに含まれていた。高い光度は物質を異常な速度で吸い込んでいることを意味する。研究チームの推定によれば、これらの特異なブラックホールはわずか10億年で自身の質量を2倍にする可能性がある。つまり、ブラックホールが銀河の成長をはるかに上回る速度で肥大化しているのだ。

銀河形成との複雑な相互作用

興味深いことに、これら異例のブラックホールを持つ銀河は特に暗かった。すなわち、天の川銀河のような銀河と比べて、恒星の数が圧倒的に少ないのである。今後より多くの恒星が形成される可能性もあれば、ブラックホールが膨大な物質を消費した結果、恒星形成そのものが抑制される可能性もある。現時点の観測データだけでは判断がつかない。

ブラックホールと銀河の進化は一般的には因果関係を持つが、その結びつきは常に強いわけではないということが、この発見から浮かび上がってきた。銀河とその中心のブラックホール間には、微妙で複雑なメカニズムが働いているらしい。その本態を解明するには、さらなる観測データの蓄積が不可欠だ。

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出典: Universe Today