月面極域探査への挑戦再び—中国がチェンジェ7号の延期を発表

打ち上げ台に立つロケットを一度引き下ろす決断は、企業にとっても国家にとっても痛みを伴う。中国国家宇宙局(CNSA)と中国有人宇宙工程弁公室が先ごろ発表したのは、チェンジェ7号(Chang'e-7)ミッションが当初予定の8月下旬の打ち上げウィンドウを逃したというものだ。発表は簡潔で、技術的な詳細な説明はなかったが、「慎重さ、信頼性、および絶対的なミッション成功」の原則に基づいた判断だとされた。

このミッションは海南島の文昌宇宙発射場で打ち上げの準備を進めていた。運搬予定だった長征5号ロケット(Long March 5)も既に現地に配置されていたまさにその時点での決定だった。8月24日に開始された打ち上げウィンドウは、地球上の打ち上げ方位と季節的な太陽照度の条件が揃う特定の期間にのみ成立するものだった。

月面南極への多面的な探査計画

チェンジェ7号は単一の機器ではなく、複合的な構成を持つ。軌道周回機による高解像度の地形測図、シャクルトン・クレーター(Shackleton crater)への着陸を予定するランダー・ローバー、そしてクレーター内の断崖絶壁を飛び越えて水氷や揮発性物質を探査する「ホッパー」から成り立っている。これらの要素のいずれかに技術的な課題があれば、延期に至る理由となりうる。

チェンジェ7号の成功は今後の中国月面探査の基盤となる。このミッションの本来の役割の一つは、国際月面研究ステーション(ILRS)建設に必要となるリソースを探ることにある。極域の水氷がどの程度入手しやすく、どの程度処理容易なのかについて、現地での信頼できるデータが得られてこそ、ステーション建造に必要なインフラ設計が確定するのだ。

2030年の月面有人着陸への連鎖的な影響

並行して進む別の開発計画として、2030年までの中国による有人月面着陸がある。長征10号ロケットとメンシェン宇宙船といった構成要素は、現在も地上試験の段階にある。これらの最終設計にとって必要なのが、チェンジェ7号から得られる熱プロファイルと月面表土ダイナミクスに関するデータだ。延期による遅れは、中国の長期的な月面探査計画全体に波及する影響を及ぼす。

けれども失敗したミッションもたらす打撃は、延期による損失をはるかに上回る。次の打ち上げウィンドウは早くても来年以降になるとみられるが、それでもなお、得られるデータを後続ミッションの設計に組み込む時間は十分に確保される。チェンジェ6号による月面裏側からのサンプル回収に始まる同プログラムの実績を踏まえれば、この中断は単なる一時的な停滞に過ぎないはずだ。

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出典: Universe Today