火星探査の新時代、ドローンが主役に NASAが30年ぶりの転換

30年以上ぶりに、NASAは火星への新しいランダーやローバーの打ち上げ計画を持たなくなった。代わりに、同機関が火星での近期の探査活動で注力するのは、航空ドローンである。数年前までは現実的ではないと思われていた探査手段が、いま急速に現実味を帯びている。

火星での科学的利用を目的とした本格的なドローン運用は、SkyFall(スカイフォール)ミッションで実現される。3機のヘリコプターで構成されたこのミッションは、2028年末にも打ち上げ予定だ。SkyFallのヘリコプターは、NASAのSpace Reactor-1「Freedom」(SR-1 Freedom)ミッションとともに火星へ向かう。SR-1 Freedomは深宇宙での核電気推進の実証が主目的であり、スカイフォールはこのミッションに相乗りする形となる。

野心的な日程と過去6ヶ月の急速な計画立案

SR-1 FreedomとSkyFallの打ち上げ日程は、かなり野心的だ。興味深いことに、これら両プロジェクトはNASAの公式ポートフォリオに加わってからまだ半年に満たない。SR-1 Freedom自体の概算予算は21億ドルで、計画内容は中止となった月面ステーション「Gateway(ゲートウェイ)」のコア・モジュール(中核部分)を核電気推進システムのテストベッドに転用するというものである。

Ingenuityの成功を基盤とした新展開

SkyFallは、NASAが培ったIngenuity(インジェニュイティ)ヘリコプターの成功に基づいている。Ingenuityは2021年、別の天体での飛行に初めて成功した回転翼航空機となった。その実績を踏まえ、火星での無人探査ドローンは新たな段階へと進もうとしている。

関連動画

出典: Ars Technica Science