宇宙ミッションの自律運用を支える「故障管理」と「システム設計」の統合
人間の介入なしに宇宙空間での異常を検知し、自動的に対応する能力――これが今後の自律型宇宙ミッションに不可欠な要件となっている。NASAはこの課題への対策として、故障管理(FM)とモデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)を統合するアプローチを採用し、HelioSwarmミッションの初期設計情報を用いて、その有効性を実証した。
深宇宙探査の時代に求められる自律性と耐性
Artemusプログラムと今後の深宇宙科学ミッションの推進を通じ、NASAは宇宙飛行の限界を押し広げようとしている。これらのミッションの実現には、システムの自律性と耐障害性の向上が避けられない技術課題として浮上している。宇宙で発生する問題を自動検知し、地上からの指令を待たずに対策を講じる仕組みが求められるのだ。
このような自律運用には、故障管理ソフトウェアが重要な役割を担う。宇宙空間で発生した異常を検出し、人間の介入なしで自動的に軽減処置を施すことが目的である。しかし自律型ミッションの設計は単一の手法では成立しない。故障管理とミッション設計に用いるモデルベースシステムズエンジニアリングを接続し、設計段階から耐性と故障許容性を備えたシステムを構築・統合する多分野横断的なアプローチが不可欠となる。
民間企業との連携で推進する技術開発
この課題に対応するため、NASAはQualtech Systems Inc.(QSI)に対してPhase II小規模企業革新研究契約(SBIR)を授与した。同契約に基づき、QSIは故障管理機能の開発と、商用ツールセットであるTEAMS®への機能拡張を進めている。HelioSwarmミッションの初期設計情報から、故障モード影響解析(FMEA)と故障木解析をモデルベース的に生成することで、この統合アプローチの実現可能性が具体的に示されたのである。
