火星探査機パーサヴィアランスが捉えたフォボスの日面通過

NASA火星探査機パーサヴィアランスが、Mastcam-Z(マストカム・ゼット)カメラを用いて火星の衛星フォボスが太陽の前を横切る様子を撮影した。観測は2026年8月12日、ミッション開始からの1,948火星日(ソル)目に実施されている。

撮影された映像は色彩を調整され、火星の表面から保護用の日食眼鏡を通して人間がこの現象を観察する場合の見え方をシミュレートしている。イモ型をした小さな衛星フォボスが、太陽を背景にシルエットとなって通過する光景は、地球からは決して見ることのできない、火星ならではの天文現象だ。

軌道変化を追う重要な観測

パーサヴィアランスは2021年2月のジェーザロ・クレーター着陸以来、複数回のフォボス日面通過を捉えてきた。複数の観測記録を比較することで、科学者たちはこの衛星の軌道がどのように変化しているかを精密に理解することができる。遠い将来、フォボスの軌道はやがて火星の表面へと向かうと予想されており、今回のような観測はその軌道進化の詳細なデータを蓄積するために極めて重要だ。

複数機関による観測システム

Mastcam-Zカメラの運用はアリゾナ州立大学(ASU)が主導している。カメラの設計・製造・試験・運用には、サンディエゴを拠点とするマリン・スペース・サイエンス・システムズ(MSSS)が協力。さらにコペンハーゲン大学ニールス・ボーア研究所は、キャリブレーション・ターゲット(較正用基準板)の設計・製造・試験に関わっており、複数機関の連携によって精度の高い観測が実現している。

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出典: NASA Breaking News