火星の薄い大気で飛ぶ次世代ヘリコプター、NASAが刃の設計を革新

NASAは火星での飛行距離を延ばすため、ヘリコプターのローター刃の設計を抜本的に見直している。これまでのIngenuitiesヘリコプターが採用してきた従来の丸みのある刃形から、より薄く鋭利な新しい断面設計への転換を図るもので、高精度なコンピュータシミュレーションと風洞試験によって検証が進められている。

Ingenuity は2021年に火星での初の動力飛行を実現させた歴史的な探査機だ。その成功の後、NASAは2028年の打ち上げを予定している「SkyFall」ミッションで、火星探査専用の3機のヘリコプターを送る予定である。SkyFall ミッションと Ingenuity は、ともに火星の薄い大気環境で動作するよう設計された刃を使用している。これらの刃は地球上で使われる刃とは異なるが、湾曲した前縁を備えた独特の形状をしている。

国際協力による新型エアフォイルの開発

新しい刃設計の実現に向け、NASAのエイムズ研究センター(カリフォルニア州シリコンバレー所在)はロンドン帝国大学(イギリス)および名古屋大学(日本)と協力し、新しい翼型(エアフォイル)の試験を行っている。この新型断面は、これまでより薄く先鋭化した設計であり、空力性能を大幅に向上させることが期待されている。

NASAの研究チームが目指しているのは、SkyFall ミッション以降の火星探査で、ヘリコプターが単一飛行での航続距離をさらに拡大できるようにすることである。従来と異なる刃の形状を採用することで、火星の低気圧環境でもより効率的な飛行が可能になると考えられており、これは将来の火星探査ミッションにおける科学活動の範囲を広げることにもつながる。

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出典: NASA Breaking News