惑星が形作る渦巻きガスを直接撮像 ALMAが捉えたプロトプラネット

地球から約430光年離れた若い惑星システムで、国際研究チームが初めてプロトプラネット(形成途上の惑星)の直接画像化に成功した。南米チリに位置するアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)が撮像したこのシステムは、惑星がいかにして周囲のガスとダストを集めながら成長するのかを、これまでのコンピュータシミュレーションから初めて実観測で示す貴重な事例となった。

二つのプロトプラネットが刻む異なる痕跡

対象となったシステムはWISPIT 2と名付けられている。より外側に位置するWISPIT 2bは木星の約5倍の質量を持ち、母星から約57天文単位(AU)の距離を公転している。一方、内側を周回するWISPIT 2cは木星の8~12倍の質量で、母星から約15AUの位置にあり、昨年8月のWISPIT 2bの発見発表に続き、今年3月に報告されたばかりだ。

ドイツのマックスプランク天文学研究所(MPIA)所長で本研究の筆頭著者であるミリアム・ベニスティ博士は「両惑星が環境を形作る様子が明確に見える」とコメントしている。プロトプラネタリーディスク内には「キャビティ」と「ギャップ」という二つの構造が観測される。WISPIT 2cが刻んだキャビティはガスとダストが完全に除去された領域であるのに対し、WISPIT 2bが作り出したギャップはディスク内の物質が減少しながらも、プロトプラネットが形成を続けられるだけの量が残存している領域だ。

シミュレーションで予測されていた現象を初めて目撃

注目すべきは、WISPIT 2bの周囲に観測された渦巻きガスの画像だ。ディスク・惑星相互作用のシミュレーションでは長年にわたって予測されていたこの現象が、実際の観測で初めて捉えられた。ALMAの画像では、ドップラー効果を利用して、私たちに向かって流れるガスを青色、遠ざかるガスを赤色で表現している。

直接撮像技術は過去10年で大きく進展したが、プロトプラネットの撮像は成熟した惑星の直接撮像よりも格段に困難だ。その理由は、形成途上の惑星ははるかに小さいからである。ALMAが他の観測機器と異なるのは、66台の電波受信パラボラアンテナから得たデータを統合し、極めて高分解能の画像を生成できる点にある。

惑星形成論が解明を急ぐ課題の一つに「集積」(アクリーション)がある。小石から数キロメートル規模の岩石までサイズが多様な物体がやがて惑星へと成長する過程のメカニズムは、今なお完全には理解されていない。WISPIT 2システムの直接画像は、この謎を解くための具体的な指針を与える可能性を秘めており、今後のプロトプラネット観測がもたらしうる知見に期待が寄せられている。

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出典: Universe Today