ニュートリノが正体を変える超新星爆発――標準モデルの盲点が浮かび上がる

超新星爆発のメカニズムについて、数十年変わらずにとらえられてきた基本的な理解が、実は不完全かもしれない。Physical Review Dに発表される論文が、これまで見過ごされてきた要素を指摘している。それがニュートリノの「味の変化」という現象だ。

古い理論と観測データのズレ

重い星の中心核がすべての燃料を使い切ると、より重い元素を作る核反応が始まる。ところがこの反応はエネルギーを消費するだけで生み出さない。エネルギー源を失った星の内部は重力に支配され、急速に自分自身へ向かって収縮する。この過程で生まれた莫大なエネルギーが星の外殻を吹き飛ばす――これが超新星爆発である。大まかな枠組みはこれで正しい。だが詳細を見ると問題が生じている。

これまで観測されてきた超新星の統計データが、現在の標準的なモデルと矛盾しているのだ。さらに理論面でも不確実な部分が多く残っている。例えば、コア崩壊(Core-collapse)が必ず超新星爆発に至るのかどうかすら、確定していない。

ニュートリノの「変身能力」が鍵

現在の超新星モデルでは、ニュートリノが重要な役割を果たす。だがこれまでのモデル構築では、ニュートリノの最も顕著な特性の一つが考慮されていなかった。それはニュートリノが正体を変える能力だ。ニュートリノは複数の種類(フレーバー)を持ち、それらの間を行き来する。超新星内部という極限環境でこのフレーバー変化(flavor-changing)がどのように起きるのか、そしてそれが爆発メカニズムに与える影響は、従来のモデルでは完全に見落とされてきた。この新たな視点が、観測と理論のズレを説明する可能性を秘めている。

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出典: Ars Technica Science