木星探査機JUICEが9月28日に地球スイングバイ、2031年到着に向け軌道調整

欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた木星氷衛星探査機JUICE(ジュピター・アイシー・ムーンズ・エクスプローラー)は、9月28日に地球の重力を利用した軌道修正を実施する。2031年7月の木星到着に向けた複数の機動操作の中盤に位置する重要なステップとなる。

JUICEは2026年4月23日に打ち上げられ、ガニメデとエウロパという木星の氷衛星を目指して航行中だ。地球への最接近は日本時間9月28日午後9時45分(米国東部夏時間同日午前7時45分)で、距離は8,640キロメートルとなる予定である。

複雑な航路設計が燃料確保を可能に

JUICEが木星到着まで複雑な軌道をたどるのは、必要な速度を確保しながら減速するため必要とされている。すでに実行された操作と今後の予定を見ると、その戦略が明確になる。

2024年8月19日に実施された月・地球スイングバイが最初の操作だった。この減速機動によってJUICEは金星方面へ向かう軌道に乗り、その後2025年8月31日の金星による重力援助機動を経て再び軌道を変更した。今回の地球スイングバイは最終的に2029年1月に予定される次の地球スイングバイへつなぎ、木星への最適な飛行経路を構築する。これらの複数回のスイングバイを組み合わせることで、JUICEは2031年に木星を周回し、2034年にガニメデに到着する際に必要な燃料を温存できるという設計になっている。

今週の接近で新たなキャリブレーション機会

地球最接近前後、JUICEは地球の磁気圏シャドウ(地球の磁場の尾部の影響範囲)内を通過する。米国東部夏時間9月27日午後3時29分から9月28日正午までのおよそ21時間、宇宙機はバッテリー電力のみで動作することになり、消費電力を抑えるため一部の観測機器が停止される予定だ。

それでも9月23日から10月3日にかけて、JUICEは地球と月のデータ収集を続行する。2024年の月・地球スイングバイと同様に、この期間を利用して観測機器と解析ツールのキャリブレーションを行う。こうした調整作業は、JUICEが木星到着後に最高精度の科学データと画像を収集するために不可欠とされている。

今回のフライバイでは地球の磁気尾のデータ取得も科学目標に含まれている。JUICEは太陽風との相互作用で形成されたこの複雑な構造内に数日間滞在し、詳細な観測を実施する計画だ。加えてJUICEの航法カメラチームは月の地平線を用いた新しい精度向上技術の試験を行い、搭載モニタリングカメラによる撮影も実施される。撮影画像はESAのウェブサイトとソーシャルメディア上で公開される予定である。

JUICEの宇宙機オペレーション・マネージャーであるアンジェラ・ディーツは、4週間前に実施された小規模な軌道修正について、「相対的には小さなサイズでしたが、極めて効果的でした。フライバイに必要な位置へJUICEを正確に配置できました」と述べている。事前準備には、最適な重力援助機動を実現するため6つの時間スロットが設定され、細かい針路修正の機会が確保されていた。

プロジェクト・サイエンティストのクレア・ヴァレットは、今回のフライバイについて2024年の月・地球複合フライバイより「操作上ははるかにシンプル」と評価している。その利点として、今回は観測機器をあらゆる方向に向けて地球と月の異なる領域を観測できる自由度があることを指摘している。

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出典: Universe Today