ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた土星南極の10角形雲
土星の南極を取り囲む10角形(デカゴン)の雲帯が、ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって明らかになった。土星の極域に幾何学的な図形が存在する理由は、これまで謎のままだったが、北極と南極で異なるパターンが形成される仕組みが次第に理解されようとしている。
40年以上安定し続ける北極の六角形
土星の北極は1987年に発見された六角形(ヘキサゴン)の雲に囲まれている。NASAのボイジャー探査機(Voyager spacecrafts)が1980年代初頭に環状惑星をすばやく通過する際に得たデータにより、この幾何学模様が初めて捉えられた。以来40年以上、北極の六角形は安定した構造を保ち続けており、土星の大気ダイナミクスを理解する上で貴重な観測対象となっている。
南極に新たに確認された10角形の謎
これに対し、ハッブル宇宙望遠鏡による最近の観測は、土星の南極に異なるパターンを映し出した。昨年撮影されたハッブルの合成画像には、南極を示すX印とそれを取り囲む循環雲帯が映っており、その中で10角形の幾何学的境界が特に暗い内側領域で顕著に表れている。
幾何学的な境界が形成される原因は、極域から離れた場所を高速で流れるガスが、極に近い遅いガスと相互作用する際に発生する波によるものとみられている。北極の六角形が数十年にわたり形状を維持しているのに対し、南極の10角形がどの程度の期間安定性を保つかは、今後の研究課題として続けられるだろう。
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