ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡、赤外線宇宙観測の本格始動
SpaceXのファルコン・ヘビーロケットに搭載されたNASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡が、2026年8月30日にケネディ宇宙センター(フロリダ州)から打ち上げられた。現地時間の午前7時26分(グリニッジ標準時12時26分、中央ヨーロッパ夏時間13時26分)の発射から、ローマンは可視光から近赤外線領域の天空観測ミッションを本格化させている。
このミッションの主目的は、宇宙のダークエネルギーとダークマターの本質を解明することにある。同時にローマンは、銀河内に存在する系外惑星の多様性を調査する観測活動も展開する予定だ。
欧州宇宙機関の貢献が支える国際的協力
ローマンはNASAが主導するプロジェクトながら、欧州宇宙機関(ESA)が重要な役割を担っている。ESAは星トラッカー、バッテリー、コロナグラフ検出器といった重要なハードウェアを提供し、さらにミッション実行中の通信支援も行う。ESAの深宇宙通信網を通じた支援に加え、オーストラリアのニュー・ノーシアに設置された新型35メートル線電波受信アンテナを用いたデータ転送も実現される。
ESA科学部門のキャロル・マンデル部長は「NASAのローマン打ち上げ成功を心より祝福する。ESAが必要不可欠なハードウェアを提供し、ローマンの野心的な科学目標を継続支援できることを誇りに思う。我々は宇宙へ新たな観測の窓を開いている」とコメントしている。
高精細赤外線観測で前例なき宇宙解析を実現
ローマンの観測能力はESAの欧クリッド宇宙望遠鏡(Euclid)と同様に、これまでにない精度で宇宙を研究する可能性を備えている。主鏡の直径は2.4メートルで、広視野観測装置(WFI)とコロナグラフ検出器という二つの観測機器を搭載している。
広大な視野範囲、鮮明な赤外線観測能力、迅速な姿勢変更機能を備えたローマンは、広い天域の高速かつ効率的な観測サーベイを実行できる構成となっている。
