遠方銀河で初めて検出された星の流れ、暗黒物質の謎を解く新たな手がかりに

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた1億1500万光年彼方の銀河UGC9050-Dw1で、球状星団から3000光年以上も引き伸ばされた星の流れが発見された。コペンハーゲン大学の博士課程学生ジュリー・キール・ホルムらの研究チームが、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡での観測と組み合わせ、この細い星の筋がダークマターの重力影響によって形作られたことを明らかにした。これまでこうした「潮汐ストリーム」は銀河系内でのみ観測されており、遠方銀河での検出は初めてのことだ。

ダークマターが星団をねじ曲げる仕組み

潮汐ストリームの形成は、球状星団と母銀河との重力相互作用により、星々が引き剥がされるプロセスによって生じる。銀河系では約150個の球状星団が確認されており、こうした星の流れはこれまで銀河系内でのみ見出されてきた。重要なのは、ダークマターの重力がこの引き剥がしのプロセスに関与していることだ。つまり、見えない物質の重力的影響が星の軌道を決定づけ、流れの形状を支配しているということである。

UGC9050-Dw1はウルトラディフューズ銀河(超拡散銀河)に分類される天体だ。この種の銀河は光をほとんど放射しない。星の数が少なく、新たな星を形成するガスもほとんど存在しないからだ。にもかかわらず、銀河系と同程度の大きさを持つものもあるという。密度の低さゆえに、このような銀河内の恒星流を検出することは極めて困難であり、今回の発見がいかに貴重であるかが窺える。

ダークマター測定の新たな手段

研究チームは当初、UGC9050-Dw1の球状星団を調査する目的で同銀河を選定した。その過程で、球状星団から伸びる淡い潮汐ストリームを発見し、この銀河が大量のダークマターを含むことを結論づけた。ホルムは「わたしたちの結果は、このウルトラディフューズ銀河のダークマターについての先行研究と一致している。これまでと全く異なる方法で測定でき、この手法が銀河系外でも機能することを実証した」と述べている。

コペンハーゲン大学のサラ・ピアソン教授は、この発見が少なくとも二つの研究領域に波及効果をもたらすと指摘する。一つは遠方のウルトラディフューズ銀河の詳細な観測が可能になることで、もう一つは暗黒物質がこれらの銀河の形成にいかなる役割を果たしているかを探る道が開かれたことだ。同教授は「これは全く新しい可能性を切り拓くものだ。他の銀河の球状星団からの潮汐ストリームを検索できるようになっただけでなく、長期的には、より多くのウルトラディフューズ銀河のダークマター含有量を測定できる見込みもある」と述べている。この成果はNature誌に発表されており、宇宙における見えない物質の解明に向けた新たな方法論を確立したと言えよう。

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出典: Universe Today