彗星220P/マクノートが劇的な増光で観測家を魅了、秋に再び活躍の可能性
通常は地味な存在である彗星220P/マクノート(220P McNaught)が、この夏異常な輝きの変動を繰り返し、観測者たちの注目を集めている。6月初旬の大規模な爆発では明るさが約8000倍に増し、8月初旬にも600倍もの増光が観測されるなど、予測不可能な振る舞いで天文学者たちを驚かせている。
オーストラリアのサイディング・スプリング天文台で彗星ハンター、ロバート・マクノートによって2004年5月20日に発見されたこの彗星は、5.5年の軌道周期を持つ周期彗星だ。木星族彗星に分類され、遠い過去に木星との2:1の軌道共鳴により太陽系内部に捕捉されたと考えられている。
6月の近日点到達から秋の接近まで
220P/マクノートは2026年6月14日に近日点を通過し、その際の太陽距離は1.6天文単位(AU)だった。この距離は火星軌道のやや外側に相当する。今後、10月12日に地球に最も接近し、その距離は1.043天文単位となる予定である。
6月の大規模な増光により、彗星の明るさは+8等級を超えた。この増光幅は17/P Holmes彗星(2007年)とComet 289P/Blanpain彗星(2013年)に次ぐ規模である。8月末の時点でも+9等級の明るさを維持しており、双眼鏡での観測が十分に可能な状態が続いている。
天体写真家のダン・バートレットが撮影した連続画像から、この彗星の「多面的な性格」が浮かび上がる。青緑色の彗頭(コマ)は夜ごとに異なる見た目を示し、まるで別の彗星かのような変化を遂げている。初期段階では薄い塵の尾が観測されたが、8月10日以降ほぼ消滅し、先週になって再び展開し始めたという。
秋へ向けた観測の展開と予期せぬ可能性
8月末から9月、10月にかけて、北半球の観測者にとって220P/マクノートは明け方の南の空で高い位置に見える。現在、この彗星はくじら座のオミクロン星とラムダ星の間に位置し、その後、うお座の環状星群を進み、+2.5等級のメンカル星(アルファ・ケティ)の周辺を巡る軌道をたどる。
増光の判定基準として、明るさが+10等級を超えると観測愛好家にとって興味深い対象となり、+6等級以上では一般の関心も高まるとされる。彗星の明るさは点光源の星とは異なり、拡散した天体として見えるため、見かけの明るさと実際の見え方は異なることに注意が必要だ。
10月12日の地球最接近を前に、さらなる爆発が起こる可能性は否定できない。通常、時計仕掛けのように規則正しい宇宙では、彗星だけが爆発や明るさの変動に関しては独自の「意思」を持つかのように振る舞う。2026年後半、220P/マクノートがこれ以上の劇的な変化を見せるかどうか、観測家の眼差しは秋へと向かう。
出典: Universe Today
