宝箱に詰まった”宝石”たちー ジェイムズ・ウェッブが撮らえたカリーナ星雲の若き星団
地球から7500光年離れたカリーナ座の方向にあるカリーナ星雲(NGC 3324)。この広さ260光年に及ぶ領域は、銀河系内で最も近い大質量星生成領域として知られ、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が赤外線観測装置で捉えた新しい画像が欧州宇宙機関(ESA)の月間ベストイメージに選ばれた。その画像で注目を集めているのが「トレジャーチェスト」と呼ばれる天体現象だ。
開き蓋の宝箱に輝く星々
トレジャーチェストは、ガスと塵で構成された孤立した雲で、丸い頭部と長く伸びた尾を持つ「コメタリーグロビュール」という種類の天体である。開いた蓋の木製の箱を思わせるこの構造の中には、コンパクトに集まった若い星団が存在する。その星団には約70個の星が含まれており、そのうち最も質量の大きい星は極めて珍しいO型星だ。これらの星は表面温度が3万ケルビンに達し、太陽のおよそ19倍もの質量を持つ青白い光を放っている。この輝きはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)によって見事に捉えられ、宝石のような星々の輝きとなって画像に映し出されている。
巨大な星の引き起こす劇的な変化
トレジャーチェストの構造を理解する上で外せない存在がエタ・カリーナだ。この星雲内で最も明るい天体は星雲の北西方向に39光年離れて位置し、画像には見えないものの、二重星系として知られている。その一つの星は太陽の約100倍の質量を持ち、光度は太陽の500万倍に達する。
星団の年齢は約130万年と推定されており、個々の星の周囲には惑星を形成する原始惑星円盤を持つものも存在する。時間の経過とともに、これらの若い星が放つ光はトレジャーチェストを構成するガスと塵の雲を次第に散らしていき、星団全体がやがて完全に姿を現すようになる。同じカリーナ星雲内には「コズミック・クリフス」という劇的な地形も存在し、これはジェイムズ・ウェッブが最初に公開した画像の一部として選ばれた。この「崖」は実は巨大なガス空洞の縁であり、星雲の中心に位置する高温の原始星から放射される紫外線と星風によって彫り出された痕跡なのだ。
出典: Universe Today
