NASAが48年間の運用を続けるボイジャー2号(Voyager 2)探査機をさらに1年間稼働させるための方法を開発したと発表しました。1977年の打ち上げから半世紀近くが経過した今も、この伝説的な宇宙機は太陽系外縁での貴重なデータを送り続けています。
電力管理の革新的な対応
ボイジャー2号の寿命延長は、原子力電池の劣化対策が鍵となっています。搭載されているプルトニウム238を用いた放射性同位体熱電気変換器(RTG)は年約4ワットのペースで出力が低下しており、限られた電力をいかに効率的に配分するかが課題でした。NASAの技術チームは、搭載機器の消費電力をさらに削減する新たなソフトウェアアルゴリズムを開発し、地上からのコマンド送信により探査機に搭載したシステムを調整しました。
この工夫により、科学観測装置を継続稼働させながら、推進系やその他の必須システムの電力消費を最小限に抑えることが実現しています。深宇宙での遠隔制御は通信遅延が大きく、数年先まで見据えた綿密な計画が必要とされます。
太陽圏外縁での貴重な観測
現在ボイジャー2号は地球から約200億キロメートル離れた太陽圏外縁(ヘリオシース)を探査しており、惑星間磁場や宇宙線の観測を継続しています。兄機のボイジャー1号とは異なり、ボイジャー2号は唯一木星、土星、天王星、海王星という4つのガス惑星をフライバイ観測した探査機です。
今回の電力最適化により、搭載される磁力計や他の重要な科学機器が引き続き有意義なデータを地球に送信できます。太陽系外からの継続的な観測データは、太陽風や宇宙線環境に関する理論モデルの検証に欠かせません。人類が到達した最遠の観測プラットフォームとしての価値は計り知れません。
