史上最大級の天文台が実現へ
極めて大型の望遠鏡(ELT:Extremely Large Telescope)がこのほど、建設における重要なマイルストーンに到達したと報じられています。チリのアタカマ砂漠に建設中のこの望遠鏡は、主鏡の直径が39.3メートルに達し、現在稼働している最大の望遠鏡よりもはるかに大きなスケールとなります。このプロジェクトは南ヨーロッパ天文台(ESO)が主導し、複数国の参画により進められてきました。今回のマイルストーンは、実際の運用開始に向けた大きな前進を意味しており、天文学界の期待が高まっています。
未知の宇宙解明へ向けた装置
ELTは従来の大型望遠鏡の能力を大きく上回る観測機器として期待されています。その高い集光力により、より遠くの銀河や星、さらに系外惑星の大気分析まで、現在では不可能な詳細な観測が可能になるとみられます。赤外線から可視光領域まで幅広い波長帯での観測を実現する設計となっており、宇宙誕生初期の銀河形成メカニズム、生命の痕跡を持つ可能性がある系外惑星の探索などが主要科学目標です。このような革新的な能力は、天文学の新たな時代を切り開くものとして位置付けられています。
国際協力と日本の貢献
ELTプロジェクトには日本を含む複数の国が参画しており、国立天文台(NAOJ)も観測機器の開発に携わっています。日本の光学・分光技術がこの世界規模のプロジェクトに組み込まれることで、国内の宇宙科学技術水準の高さが示されています。本格的な運用は2030年代の中盤を目指しており、世界中の天文学者が利用できる国際的な観測施設となる見込みです。基盤技術の確立からの長期プロジェクトが、いよいよ実現間近となりました。
関連動画