ホンダとRedwireが宇宙ステーション向けロボット開発 細かい作業で宇宙飛行士の時間を解放

ホンダと宇宙インフラ企業のRedwireが共同で、次世代の商用宇宙ステーション向けの自動実験支援ロボットを開発する。同社は10月11日、この協業を発表し、トルコのアンタルヤで開催中の国際宇宙会議(IAC)に出展している。

自動車で知られるホンダだが、ロボティクス分野でも実績を持つ。一方のRedwireは軌道上研究の経験が豊富で、国際宇宙ステーション(ISS)上で現在8つの科学施設を運用している。両社の技術を組み合わせることで、宇宙での人手不足という課題に対処する狙いだ。

宇宙飛行士の貴重な時間を奪う単純作業

ISSで働いた経験を持つ宇宙飛行士は、滞在中の時間がほぼ分単位でスケジュール化されていると証言する。だが実際には、バーコードを読み込んで在庫管理をしたり、生物サンプルのトレイを交換したりといった単調な業務に追われている。世界で最も高い教育水準を持つ宇宙飛行士たちが、こうした基本的な実験室の保守業務に当たらざるを得ないのは、宇宙ステーション上に他に対応できる者がいないからだ。

ISSはアメリカンフットボール場ほどの大きさだが、NASAは2030年頃の廃棄運用を計画し、南太平洋の最も遠隔地に落下させる予定としている。その後、Axiom Space、Vast、Orbital Reefといった民間企業が独自の宇宙ステーションの打ち上げを目指す。NASAはこれらの施設の利用者の一つになるが、民間ステーションは当初、ISSより小規模になる見込みだ。乗組員は2名ないし4名程度であり、無人の期間も長くなる。科学実験を継続させるには、自動化技術への依存が避けられない。

ホンダの高精度グリップとRedwireの遠隔操作能力を融合

Redwireが提供するのは、Space Technology Autonomous Agile Robotic Kit(STAARK)と呼ばれるアーム・動作プラットフォームだ。動的な物体と自律的に相互作用し、つかむ能力を備える。一方、ホンダは繊細なロボット操作を得意としている。かつてASIMOというロボットで知られた同社は、その後も robotic grips(ロボットグリップ)の開発に集中してきた。現在のホンダのロボット手は独立して動く指を備え、各指に触覚センサーと力センサーが装備されている。このセンサーにより、サンプル瓶を潰してしまうことも、浮かせてしまうことも防ぐ「触覚」を実現している。

早期の商用宇宙ステーションの中には、VastのHaven-1やAxiom SpaceのAxiom Stationなど、来年にも打ち上がる可能性があるものもある。ただし、いずれがこのRedwire・ホンダのロボットシステムを採用するかは、まだ発表されていない。宇宙が商業化される中で、微小重力環境での科学研究を支える装置の供給競争は確実に激化するとみられる。

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出典: Universe Today