宇宙用核反応炉の自動制御技術、DARPAが開発支援へ スペースニュークス社に契約授与

Space Nuclear Power Corporation(SpaceNukes、スペースニュークス)がDARPA(国防高等研究計画局)から開発契約を獲得した。同社が宇宙用核反応炉の自動制御技術に関する地上試験を実施することになった。

DARPAの防衛科学部門を統括するタビサ・ドッドソン博士が主導する「Fat Cat」プログラムが、スペースニュークスに対してOTA(Other Transaction Agreement)型の契約を授与した。このプログラムは国家安全保障ミッション向けの自律型反応炉運用技術の開発を目指すもので、米国の原子力発電能力を次の段階へ進める契約である。

スペースニュークスの経営陣には、2018年に同社がロスアラモス国立研究所とNASA在籍時に実施した革新的な核反応炉実証プロジェクト「KRUSTY」(Kilopower Reactor Using Stirling Technology、キロパワー・リアクター・ユージング・スターリング・テクノロジー)に携わった中核メンバーが揃っている。スペースニュークスのCOO(最高執行責任者)パトリック・マクルア氏は「2018年のKRUSTY実証を設計・構築・試験した経験とその継続性が、今回の受賞に結びついた」と述べている。

受動制御から能動制御へ 2018年の試験から次のステップ

今回のDARPA契約は、スペースニュークスとロスアラモス国立研究所が共同でキロパワー反応炉の改良型を設計・製造し、地上試験を実施する内容となっている。前回の2018年KRUSTY試験との違いは、能動的な制御棒の操作を組み込むという点だ。2018年の試験では受動的な制御方式が採用されていたが、今回はこれを超える進歩を目指している。

プログラムは段階的に進行する予定で、設計、調達、統合の各段階を経て地上での実証へと向かう。統合作業はスペースニュークスのオハイオ州メディナ工場で実施され、チーフエンジニアのマルク・ギブソン氏がこれを主導する。メディナ工場は熱真空試験能力を備えている。

スペースニュークスのCEO(最高経営責任者)アンディ・フェルプス氏は「実証済みの技術に勝るものはない。今回の契約によってKRUSTYから始まった事業を前進させ、国家のために試験済みの新たな能力をもたらすことができる」とコメントしている。

米国の宇宙用原子力技術、多様なミッションへの対応を目指す

今回の開発成果は、米国の産業界が幅広いミッションプロフィールに対応できる信頼性の高い核電源を供給する能力を確立することを目指している。特に動的な電力管理が必要とされるミッションや、変化する運用条件下での迅速な応答が求められるシナリオへの対応が視野に入っている。

スペースニュークスはロスアラモス国立研究所からキロパワー技術のライセンスを取得しており、本社はニューメキシコ州ロスアラモスに、加えてロスアラモスと前述のメディナ工場に拠点を持つ。リーダーシップチームには、CTO(最高技術責任者)のデビッド・ポストン氏とCOOのマクルア氏がロスアラモス国立研究所での経歴を持ち、チーフエンジニアのギブソン氏はNASA・グレン研究センターでプログラムを統括した。これにオマル・ミレレス氏(NASA・マーシャル宇宙飛行センター出身)とCEOのフェルプス氏が加わる。

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出典: SpaceNews