6分周期で公転する白色矮星連星が重力波検出の有力候補に

現在の重力波観測装置は連星系からの重力波を捉えるほど感度が高くない。ブラックホールが合体する直前の「重力波チャープ」のみを観測できるのが現状だ。しかし今後、より高感度な観測機器の開発とともに、その状況は変わろうとしている。最近、天文学者チームが高度な重力波観測装置の標的となりうる白色矮星連星系を発見した。eRASSU J0608と呼ばれるこのX線源は、374秒(6分強)ごとに明るい脈動を示していた。

このような周期的な信号は通常、なんらかの周期的な運動に由来する。パルサーであれば中性子星の自転に、食連星の多くは星同士の相互運動に起因する。研究チームはeRASSU J0608の正体を探るため、中性子星内部構成探査機(NICER)とEinstein ProbeのX線観測所のデータを用いて観測を行った。その結果、このシステムが密接に公転する白色矮星のペアであることが判明した。

公転が極めて密接なため、一方の星から放出される物質が他方に直接捕捉され、通常のように両星を取り巻く降着円盤が形成されない。そのため、X線は継続的な放射ではなく周期的なバースト状で放出される。物質の配置が特定の角度に揃ったときにだけ、超高温物質からのX線が観測されるのだ。

軌道減衰から検出される重力波シグナル

研究チームはXMM-Newtonの過去の観測データと新規データを比較し、3年以上の期間にわたるシステムの変化を追跡した。その分析から、両星の軌道が急速に減衰していることが明らかになった。この減衰率は重力波放射によるエネルギー損失と一致している。軌道減衰が観測されるのは珍しくないが、eRASSU J0608のシステムはその中でも最速レベルであり、連星系としては極めて強い重力波放射源であるとみられる。

推定される「チャープ質量」は0.43太陽質量だ。ただし、X線観測だけでは地球からこのシステムまでの距離を確定できない。重力波は通常の光と同じく逆二乗則に従うため、距離が遠いほど検出信号は弱くなる。研究チームは第三の伴星がこのシステムに存在する可能性を追求しており、そうした伴星の発見があれば距離の正確な測定が可能になるという。

距離が十分に近ければ、LISA(レーザー干渉計宇宙アンテナ)のような将来の宇宙ベース重力波観測装置でも、このシステムからの重力波を検出できる可能性がある。その場合、eRASSU J0608は他の天体からの重力波信号を較正するための基準源として活用される見込みだ。

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出典: Universe Today