NASAが光で微小センサーを浮遊させ、宇宙の境界領域をマッピング

NASAは微小な「トレーサー」と呼ばれるセンサーを太陽光で浮遊させ、従来では観測が困難だった高度領域のデータを収集する新技術の開発支援を決めた。このプロジェクトはレアリファイド・テクノロジーズのベンジャミン・シェーファーによって提案され、NASA高等研究概念機関(NIAC)の助成金を獲得している。

謎に満ちた「無知の領域」

大気圏は絶えず変動する環境だが、その性質を正確に把握できるかどうかは、観測対象となる高度に大きく左右される。低高度の大気は従来のバルーンで到達でき、各種のセンサー装置を搭載した詳細な観測が可能だ。一方、高い高度では人工衛星が活躍し、軌道速度を生かして密度の低い大気圏領域を通過する。

しかし科学者たちが「無知の領域」と呼ぶ地上高度30~100キロメートル付近の領域では、観測が大きな課題となっている。この領域は地球規模の気候変動に重要な役割を果たしているにもかかわらず、現在のところサウンディングロケット(探査ロケット)でのみアクセス可能であり、落下までの数分間という限定的な期間中にしかデータを収集できない。

月単位の継続観測を実現

新技術は、この「無知の領域」に複数のセンサーを投入し、数か月間にわたって浮遊させることで長期的な観測を可能にする構想だ。太陽光を推進力として利用するこのアプローチにより、天候変動に影響を及ぼす長期的なパターンを捉えることができると期待される。こうした変動は地球全体の気象に影響を与えるもので、従来の短期観測では見落とされていた現象の解明につながるとみられる。

このミッションが成功すれば、大気圏の動的な性質をこれまで以上に詳細に理解する道が開かれ、気候変動の予測精度向上にも貢献する可能性がある。シェーファーが主導するプロジェクトの実現に向けた今後の進展が注視されている。

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出典: Universe Today