NASAは7月1日、老朽化した天文衛星スウィフト(Swift)を地球の大気圏への再突入から救うため、緊急の救出ミッションを打ち上げる予定です。2004年に打ち上げられたこの衛星は、ガンマ線バーストなどの宇宙現象の観測で世代を超えて科学者に貢献してきましたが、近年軌道が低下していました。今回の救出作戦は、宇宙機器の延命と廃棄物対策を両立させる新たな試みとして注目されています。
スウィフト衛星の危機的状況
スウィフトは打ち上げから20年以上が経過し、軌道制御用の燃料がほぼ枯渇しているとみられます。衛星の軌道は徐々に低下し、このままでは数年以内に地球の大気圏で焼け落ちる危険性が高まっていました。ただし衛星本体の科学観測機器は依然として正常に動作しており、ガンマ線天文学の分野ではいまだ貴重な観測プラットフォームとされています。NASAはこうした状況を踏まえ、軌道を修正するための追加燃料を補給する救出ミッションを計画していました。
救出ミッションの内容と意義
今回のミッションでは、無人補給機から衛星への燃料移送を実施する計画とみられます。国際宇宙ステーション(ISS)での技術実証をもとに、軌道上での補給技術が本格的に活用されるのは初めてになるとされています。スウィフトの軌道寿命が延びれば、将来の超大質量ブラックホールや中性子星の観測機会が増加し、宇宙物理学全体に大きな恩恵がもたらされるでしょう。同時に、使命を終えた衛星を意図的に大気圏へ誘導する際の技術確立にもつながります。
このプロジェクトは、宇宙資源の有効活用と軌道上デブリ増加への対策という、現代の宇宙開発が直面する課題へのひとつの解答を示すものです。成功すれば、他の老朽衛星の救出事例として参考とされ、今後の宇宙ミッション計画に影響を与える可能性があります。救出ミッションの成功は2026年中に確認される見通しです。