ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた謎—矮小銀河から消えた酸素

ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)が37個の近傍矮小銀河を調査した結果、星々が生み出したはずの酸素の大部分が行方不明になっていることが明らかになった。2026年11月2日に公開された観測画像には、その謎の中心に位置するNGC 4449という矮小不規則銀河が映されている。

数千万個から数億個の星を抱える銀河系

矮小銀河とは、数千個から数億個の星を含む小規模な銀河系を指す。今回の研究に含まれたNGC 4449もこの分類に当てはまり、ハッブル宇宙望遠鏡の観測対象となった37個の矮小銀河すべてが同様の規模である。これらは宇宙全体において極めて一般的な銀河型であるにもかかわらず、その化学的な性質については謎が多かった。

矮小銀河が保有する酸素は予想外に少ない

研究チームが特に注目したのは、矮小銀河における酸素の保有量である。星の内部で核融合によって生成された酸素は、星の終末期に爆発や放出を通じて周囲に散布される。ハッブル宇宙望遠鏡による観測から、これらの矮小銀河は星が作り出した酸素のごく一部しか保持できていないことが判明した。期待されていた酸素の量と実際に観測される量の間に、大きな隔たりがあるのだ。

この発見は、矮小銀河の化学的な進化過程や、星間物質の動態を理解する上で重要な手がかりとなる。NASA、ESA、ハッブル・ヘリテージ・コラボレーション、Alessandra Aloisi(STScI、ESA)らの研究チームによるこの調査は、宇宙における物質循環のメカニズムに新たな疑問を投げかけている。

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出典: NASA Breaking News