宇宙生物学が注目する新しい視点—惑星の炭素循環が知的生命の進化を左右する

星の年齢だけでは測れない生命の複雑さ

アリゾナ大学北部キャンパスのクリストファー・ドーティ博士が国際天文生物学誌に発表した新しい研究は、宇宙における知的生命の存在可能性を評価する従来の方法に異議を唱えている。これまで天文生物学者たちは、惑星が知的生命を宿す可能性を推測する際、主にその星の年齢に着目してきた。年老いた星を持つ系ならば、地球より長い時間をかけて複雑な生命が進化する機会があるという考え方だ。しかしドーティ博士と共著者たちは、単純な星の年齢だけでは不十分だと指摘する。

重要なのは、惑星が生物学的過程に投入できる炭素の総量だという。この視点から見ると、同じ星の周りにある複数の惑星でさえ、生命の進化速度は大きく異なる可能性がある。地球上でも赤道付近の温かく湿度の高い地域が、寒冷な極地域より速く新種を生み出すように、惑星規模でも条件により生物活動の活発さが決まる。生物学者らが「進化速度仮説」(ESH)と呼ぶこの概念は、より多くの生物活動がより大きな個体群を支え、結果として更多くの世代交代と遺伝子変異の蓄積につながることを説明する。

基準となる地球と失望させる候補惑星TRAPPIST-1e

ドーティ博士の研究は、地球の進化史に基づいて具体的な基準を設定した。純一次生産量(NPP)と呼ばれる、光合成生物が毎年有機物に変える炭素の量を計測した。地球では最初の30億年間、単細胞生物だけが存在し、カンブリア爆発の約5億年前までの間に固定された炭素量は約2.4×10の25乗グラムだった。カンブリア爆発以降、炭素の固定量は急増し、知的生命である人類が出現した時点では約9.4×10の25乗グラムに達していた。

この基準に照らして検討された惑星の中で、TRAPPIST-1eは多くの天文生物学研究の焦点となってきた。気候モデル開発の対象にもなった注目の候補だが、今回の分析では生命の複雑さが大きく制限される可能性が浮かび上がった。TRAPPIST-1eは赤色矮星に潮汐ロックされており、恒星が照らすのは惑星の半分だけだ。反対側では光合成が全く起こらない。さらに赤色矮星が放つエネルギーは主に赤外線だが、光合成に利用するよう進化した植物は現在存在していない。赤外線は水深まで届きにくいため、海洋の微生物も活用しにくい。加えて気候モデルによれば降水量が限定的で、生命に欠かせない水の供給も十分でない。これら複数の要因が重なり、TRAPPIST-1eは高度な生命を育む候補としては不向きだと結論付けられた。

有望な候補に浮かぶ二つの惑星

研究チームが29個の確認された岩石惑星を三段階の尺度(単細胞、多細胞、知的生命)で評価した結果、二つの惑星が「知的生命」の範疇に該当した。地球から143光年離れたK2-3dは最も高い評価を得ている。地球より若干大きく、著しく暖かいこの惑星のNPPは地球の1.74倍に達している。もう一つの有力候補がGJ 1061cで、わずか12光年という比較的近い距離に位置している。

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出典: Universe Today