商用防衛衛星通信、2035年に226億ドル超へ NGSO衛星群がけん引
2035年までに、商用衛星通信サービスの防衛関連収益が226億ドルを超える見通しが示された。パリを拠点とするコンサルティング企業Novaspace(ノヴァスペース)が公開した「Satellite Communications for Defense and Security(防衛・セキュリティ向け衛星通信)」第2版の報告書に基づく予測である。この成長は、次世代非静止軌道(NGSO)衛星群の採用拡大に支えられており、軍事組織が機動性と状況認識、ネットワーク耐性の向上を優先事項とする中で、衛星通信が現代の軍事ネットワークの中核を占めるようになっていることを反映している。
NGSO衛星群が市場の中心に
商用防衛衛星通信市場を左右するのはNGSO衛星を利用したサービスである。Novaspaceの分析によると、NGSO関連サービスの収益は2035年までに213億ドルに達すると想定され、年平均成長率(CAGR)で34%の伸びが予測されている。一方、従来の静止軌道(GEO)衛星のサービス収益は2025年の23億ドルから2035年には13億ドルへ減少する見込みだ。ただしGEO衛星の容量需要そのものは3倍に増加すると予測されており、NGSO衛星と併用するハイブリッド・マルチ軌道ネットワークの中でGEO衛星が依然として戦略的な重要性を保つことを示唆している。
Novaspaceのシニアマネジャー、Santiago Perez(サンティアゴ・ペレス)氏は分散型衛星通信システムの普及意義を指摘する。「分散された衛星通信アーキテクチャの採用拡大は、軍事衛星通信システムの妨害やジャミング、運動型攻撃への耐性を急速に向上させています。防衛利用者がマルチ軌道接続戦略を次々と導入する中で、NGSO衛星群は将来の軍事作戦に必要な容量、低遅延性、耐性を提供する上で極めて重要な役割を果たすでしょう」とコメントしている。
米国と中国が市場を二分
地域別の市場構図は明確な二極化を示している。2035年を通じて、米国が世界の防衛衛星通信需要の50%超、収益の48%を占める最大市場となると予想される。中国は世界需要の約30%、収益の約30%を占める第2の勢力として続く見込みで、世界の主要大国が軍事近代化において衛星通信に中心的な役割を置いていることが浮き彫りになっている。
Perez氏は市場の質的変化に着目している。「私たちが目撃しているのは、単なる衛星容量需要のシフトではありません。軍事通信の根本的な進化なのです。マルチ軌道接続が現代防衛ネットワークの基盤となり、今後何年にもわたって調達、運用、戦略立案を形作っていくでしょう」と述べた。
出典: SpaceNews
