宇宙初期の銀河団の祖型を発見、現在の宇宙構造の起源が明らかに

チリの望遠鏡で観測された約120億年前の銀河団が、宇宙がどのように大規模構造を築いてきたのかを解き明かす手がかりを与えている。パデュー大学の大学院生ヴァンダナ・ラマクリシュナン率いる研究チームは、ブランコ望遠鏡(Victor M. Blanco Telescope)に搭載されたダークエネルギーカメラ(Dark Energy Camera)の観測データから、COSMOS-z3.1-Aと名付けられた銀河プロト超銀河団を発見した。

この構造は、宇宙がわずか数十億年の年齢だった時代に10の密集した銀河群が存在していた様子を映し出している。やがてこれらの銀河群は重力によって結合し、現在の超銀河団へと進化していったと考えられる。プロト超銀河団COSMOS-z3.1-Aの質量は、天の川銀河のおよそ5000倍に相当する。宇宙初期の段階でこのような巨大構造が存在することは極めて稀であり、研究チームの試算では1万個の銀河団に対して1つ以下の頻度でしか存在しないとされている。

3年間にわたる広域観測で初期宇宙の姿を捉える

この発見をもたらしたのは、ODIN Survey(One-hundred-deg² DECam Imaging in Narrowbands)と呼ばれる大規模観測プロジェクトだ。チェロ・トロロ天文台に設置されたブランコ望遠鏡が、3年間で100晩にわたって南半球の空を観測し、かつてない深さの画像を記録した。OD​IN調査の解析により、宇宙初期の最初の30億年間に形成されたプロト超銀河団150個が同定された。

ラマクリシュナンは、この研究の狙いについて「宇宙における巨大構造の成長と、その中での銀河進化への影響を理解することが目標だ。また、これらのプロト超銀河団がより大きな宇宙の網(Cosmic Web)とどのようにつながっているのかを明らかにしたい」と述べている。

宇宙構造の階層的発展を支持する証拠

ラトガース大学の天文学者エリック・ガウイザーは、この発見が宇宙の構造形成の理解に重要な意味を持つと指摘する。「現在の宇宙で観測される銀河団は、既に形成を終えた完成形だ。これに対して、遠い過去のCOSMOS-z3.1-Aは、個々の部品がまさに結合しつつある初期段階を示している。宇宙がいかにして最大規模の構造を築いてきたのかを研究する貴重な機会を与える」と述べた。

ODIN調査で作成された3次元マップには、古い時代のプロト超銀河団が凸凹で不規則な形状をしていることが明瞭に示されている。これは、水素ガスが暗黒物質に導かれてより密度の高い領域に集中し、最初の星と銀河を形成し、その後重力によって銀河団、さらに超銀河団へと段階的に組織化されていく、という宇宙の階層的進化プロセスを直接的に裏付ける証拠となっている。

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出典: Universe Today