卵の殻に学ぶ宇宙ゴミ対策――次世代宇宙機の新素材開発へ

2007年、米国のスペースシャトル・エンデバーの放熱パネルに宇宙ゴミが銃弾のように貫通する穴を開けた。スペースシャトル計画は2011年に終了したが、衛星コンステレーション、望遠鏡、宇宙機の打ち上げが増える一方で、宇宙ゴミ問題は深刻さを増し続けている。

こうした背景の中、中国の科学者たちが卵の殻に着想を得た新しいアルミニウム材料を開発し、宇宙ゴミの破片からより優れた保護効果が期待できると主張している。この研究は学術誌『Journal of Applied Physics(応用物理学ジャーナル)』に掲載された論文で報告された。

卵の殻が持つ構造の秘密

卵の殻が科学者の関心を集めてきたのは、その機械的特性にある。卵を割るには中心に適切な力を加えることで、殻全体が粉々に砕けることなく、きれいに割ることができるという特性は周知の事実だ。

2012年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の機械工学者ペドロ・レイスは、卵の楕円形の幾何学的形状と剛性の関連性を実証する論文を共著した。剛性は物体がひび割れる前に耐えられる力の大きさを予測する上で重要な要素となる。レイスは、卵の殻を踏み歩く人気の物理実験デモンストレーションに参加したことがきっかけで、卵の殻の研究に取り組み始めた。彼が発見したのは、卵を細い先端(最もひび割れに強い部分)が上向きになるように揃えることが、卵を割らずに歩く鍵になるという点だった。

宇宙機の防護へ向けた応用

卵の殻の構造が持つこのような性質は、高速で飛行する宇宙ゴミから宇宙機を守るという現代的な課題に対する解決のヒントとなる可能性がある。中国の研究チームが開発したアルミニウム材料は、卵の殻のこうした剛性と耐性を人工素材に応用したものと考えられる。

衛星やその他の宇宙システムの数が増え続ける中、宇宙ゴミとの衝突リスクはかつてないほど高まっており、より効果的な防護技術の開発は宇宙開発の継続的な課題となっている。

関連動画

出典: Ars Technica Science