ペリカン星雲:星生成と進化するガスの舞台

ペリカン星雲(IC 5070)は現在、姿を変えようとしている。ペリカン星雲は北米星雲(North America Nebula)よりも暗い分子雲で隔てられており、その中には暗いダストが充満している。アメリカ・ユタ州で撮影された今回の画像は25時間の露出時間を費やして撮られたもので、このフィラメント構造を持つダストの詳細な特徴を浮かび上がらせている。

活発な星生成領域として注目される理由

ペリカン星雲が研究対象として重視されるのは、星の形成と進化するガス雲が特に活発に混在しているからである。若く高エネルギーな星から放たれた光が、冷たいガスを徐々に加熱し、熱いガスへと変えていく。その過程で、冷たいガスと熱いガスの境界線が生じ、これをイオン化前線(ionization front)と呼ぶ。この前線は画像の右上に明るいオレンジ色として目視できる。

数百万年後の姿は未知

一方、冷たいガスの特に密度の高い領域は依然として存在している。ペリカン星雲は暗黒星雲LDN 935によって囲まれているが、数百万年が経過すれば、星とガスの位置関係と構成が確実に変わるため、現在のペリカンという名前はもはや当てはまらないかもしれない。天体現象の長大な時間スケールの中で、この天体の外観は全く別のものへと変貌していくと予想される。

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出典: NASA Breaking News