すっぽんぽんの彗星が視野に入った—彗星と小惑星の関係を探る貴重な観測
すばる望遠鏡の過去の観測画像に、思いがけず映り込んでいた彗星28P/ノイミン(28P/Neujmin)。千葉工業大学惑星探査研究センターのオオツボ・タカフミ率いる日本の研究チームが、国立天文台(NAOJ)のすばる望遠鏡とすばるプライムフォーカスカメラ(Suprime-Cam)の画像アーカイブを調査する中で発見した。この偶然の発見により、研究者たちは直径21キロメートルの彗星の表面を詳しく観察できる機会を得た。
彗星の研究は本来、非常に難しい。太陽に近づくほど観測しやすくなる反面、熱によって揮発性物質が放出され、彗星の周囲に薄い大気層(コマ)が発生する。このコマが彗星の核を覆い隠してしまうため、核そのものの詳しい観測は困難になる。28P/ノイミンは「裸の彗星」と呼ばれる希少なタイプで、太陽から10天文単位以上の距離にあるときはコマがほぼ発生しない。この特性が、研究チームの目標を可能にした。
すばる望遠鏡が捉えた接近角観測
ハワイのマウナケア天文台に設置されたすばる望遠鏡は、口径8.2メートルの主鏡を備えている。1998年の完成以来、膨大な画像データを蓄積してきた。彗星28P/ノイミンの観測は、非常に好都合な角度から行われた。太陽と観測者が同じ方向に見える「衝」の位置で観測されたため、彗星の表面全体が影なく、均等な明るさで映った。この条件下での観測は、表面の性質を調べる上で極めて重要だ。
研究成果は国際学術誌『日本天文学会刊行物』に掲載された。論文題は「すばる・ハイパーすばりめ・カメラで観測された彗星28P/ノイミンの衝効果」。彗星28P/ノイミンは約18年周期で太陽を公転し、木星族彗星の一つに分類される。同族の彗星としては、直径21キロメートルはかなり大きい部類に入る。
彗星と小惑星の物質的なつながり
観測データが示したのは、彗星と小惑星の予想外の類似性だ。従来の太陽系形成モデルでは、「氷に富む」彗星と「岩石質の」小惑星は本質的に異なる天体と考えられてきた。しかし近年の観測により、この単純な区分は揺らぎ始めている。いくつかの小惑星には水と含水鉱物が含まれ、彗星核からは含水珪酸塩の痕跡が検出されている。
彗星28P/ノイミンの観測では、その色が小惑星のD型分類に非常に似ていることが明らかになった。これは以前の分光観測の結果と矛盾していない。ただし同時に、表面の性質はD型小惑星、さらにはC型小惑星とは異なることも判明した。特に粒子の詰まり方や小規模な多孔性の特徴が、これらの小惑星グループとは区別されるという。彗星核と小惑星のどの分類が最も物質的に近いかを明かすことで、天体形成の起源と進化の謎に迫る手がかりが得られるとみられる。
出典: Universe Today
