磁力渦巻く原始星の噴流を初観測、数十年の理論が実証される

原始星の周りで渦巻く磁場が初めて直接観測された。米国国立電波天文台のタオ・チャン・チン(Tao-Chung Ching)率いる国際研究チームが、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)を使ってペルセウス分子雲にある若い連星系NGC 1333 IRAS 4Aを観測し、原始星から噴き出す高速ガス流を駆動する磁場構造を捉えることに成功した。この成果は『Nature Communications』に「Unveiling dominant toroidal magnetic fields in a protostellar outflow」と題する論文で発表されている。

数十年前の予測がついに確認

ジェット噴流がどのように生成されるのかは、天体物理学者の長年の謎だった。原始星が成長する際、周囲の降着円盤から落ち込む物質は角運動量を持つ。この余分なエネルギーを放出しなければ物質は円盤内で回転し続け、星は成長できない。星の磁場がこの問題を解決するはずだと考えられてきたが、その具体的な仕組みは不明だった。

理論では、ポロイダル磁場が降着円盤からガス流を打ち出し、高速回転するガスがこの磁場をトロイダル幾何学構造に捻じ曲げるとされていた。この捻れた磁場が、まるで磁気フープのような応力を通じてガス流を絞りながら加速すると予想されたのである。

磁場の微細構造を可視化

チン率いるチームがALMAで観測したのは、一酸化炭素(CO)ガスの偏光放出である。この偏光を追跡することで、原始星の噴流を囲む磁場の強度と形態を捉えることができた。観測結果は理論の予測と完全に一致した。磁場はガス流の周囲をコイル状に巻きつき、ガスの流動方向に垂直でありながら、その回転と同期していたのである。

計測された磁場の強さは数ミリガウス程度で、一般的な家庭用磁石に比べれば極めて弱い。だが天文学的なスケールでは、原始星から数百天文単位の距離で噴流を完全に絞り込み加速するのに十分な力を持っていた。チンは「これまでで最高解像度のトロイダル磁場観測であり、数十年前の理論が正しかったことを証明した」とコメントしている。

NGC 1333 IRAS 4Aの噴流は数百天文単位の範囲に留まるが、銀河系には数光年単位で伸びるより大規模な噴流も存在する。最長のものは32.6光年に達する。だがこれほどの詳細さで磁場構造を調査された原始星システムはこれが初めてである。

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出典: Universe Today