ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、死にゆく星の周囲で惑星の生き残りの謎に迫った。白色矮星(はくしょくわいせい)という極限環境を周回する惑星系を詳細に観測し、恒星の終末期でも惑星が存在し得るメカニズムを解き明かしつつある。この成果は、遠い宇宙における惑星形成と進化の理解を大きく深めるものだ。
白色矮星に残された惑星系
観測対象となったのは、太陽系から比較的近い距離にある白色矮星とその周囲の天体である。白色矮星は太陽のような恒星が人生の最後に到達する段階で、核融合を終えた高密度の残骸とみられる。通常、恒星がこのような進化段階に達する際、周囲の惑星は飲み込まれるか軌道を大きく乱されると予想されていた。ところが、この星系には依然として惑星が存在しており、その軌道が比較的安定していることが判明した。ウェッブ望遠鏡の赤外線観測能力により、かつては見過ごされていた惑星系の詳細な構造が可視化されたのである。
惑星の運命を分ける条件
惑星が恒星の死を乗り切る条件として、初期軌道の距離が重要な役割を果たすと考えられている。観測データから、白色矮星から適度な距離を保つ惑星は、恒星の外層放出やその後の重力変化の影響を最小限に抑えられるという仮説が支持された。このメカニズムは、銀河系内の多くの古い星系における惑星の分布パターンと一致する。ウェッブ望遠鏡の精密な分光観測により、惑星の大気や表面の性質、さらには星系全体の年齢まで推定が可能になった。
宇宙進化史への新しい視点
今回の発見は、宇宙全体における惑星系の進化過程の理解を革新する。数十億年の時間スケールで恒星が死を迎える際、惑星がどのような経路をたどるのかという根本的な問題に答えを与えるものだ。これまでの理論では説明できなかった惑星系の存在例が明らかになることで、宇宙における生命の存在可能性についても再検討が必要になるとみられる。今後、類似した星系の追加観測を通じて、より普遍的な法則の確立が期待される。