ヨーロッパの氷殻の謎が地表レーダー調査で解き明かされる
NASAと国際研究チームが、木星の衛星エウロパ(Europa)の氷殻の構造を詳細に調査する新たなレーダー研究成果を発表した。この調査は、エウロパ表面の地中に存在する可能性がある液体の水と、生命存在の可能性を探るうえで重要な手がかりとなるとみられている。
地表レーダーで氷の下の世界を探る
研究チームは地表透過レーダー(GPR)技術を用いて、エウロパの氷殻内部の層状構造を三次元で可視化することに成功した。この手法は地球上での地質調査で一般的だが、衛星のデータから間接的に氷殻の厚さや内部構造を推定する際に極めて有効だ。得られたデータから、氷殻の厚さにかなりの地域差があることが明らかになり、場所によっては予想より薄い領域も存在することが判明した。薄い領域は地下の液体の水層との距離が近い可能性を示唆している。
生命探査への道を切り開く研究
エウロパはその表面全体を厚い氷に覆われているが、氷殻の下には広大な液体の海が存在すると考えられている。この海には、地球の深海熱水噴出孔のような環境があり、微生物が生存できる条件が整っているとの仮説もある。今回の調査結果は、将来のエウロパ探査ミッションで、どの地点に着陸して掘削調査を行うべきかの指針となる。NASAの次期ミッション「エウロパ・クリッパー」(Europa Clipper)は2024年に打ち上げられており、本レーダー研究の成果はその後続プロジェクトの計画策定にも活用される見通しだ。
今後、より高精度な衛星観測データとの組み合わせにより、エウロパのさらに詳細な地質構造が解明されるだろう。
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