ハイパーノバは本当に存在するのか——低金属量星の謎を解く新研究

太陽質量の30倍以上ある巨大な星が爆発するとき、天文学者たちはそこに「ハイパーノバ」を想定してきた。通常の極超新星より約10倍明るく、極めて高い運動エネルギーを持つ爆発とされるこの現象だが、ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジの研究チームが発表した2つの新論文は、この存在そのものに疑問を投げかけている。

銀河系ハロー領域や彫刻家矮小楕円銀河(Sculptor dwarf spheroidal galaxy)に見つかった極端に金属に乏しい星たちは、これまでハイパーノバの最有力な証拠とされてきた。天文学者たちは、これらの星の異常な元素組成パターンを説明するため、1つの巨大星が引き起こしたハイパーノバモデルと比較検証していた。しかし新しい研究によれば、その仮定は根本から間違っていたのだ。

爆発物質の分布が均等でないという発見

ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジのマラード宇宙科学研究所に所属するアンモル・アガルワル博士と同研究所のラルフ・シェーンリッヒ博士は、Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載された2つの論文で、これまでの分析に重大な欠陥があることを示した。従来の研究は、超新星爆発による物質が均等に混ざり合うと仮定していた。ところが実際には、爆発時に放出された物質は一様には分布しないのだという。

アガルワル博士は「今日の超新星を見ると、星の物質は均等には広がらない。酸素はある方向に、硫黄は別の方向に飛び散る。新しい星は爆発全体の元素混合比からではなく、超新silon爆発の破片のさまざまな混合から形成されるかもしれない」と説明している。

通常の超新星で説明可能

研究チームが開発した数学モデルを用いて、この物質分布の不均一性を考慮した解析を行うと、極めて異常な元素組成を持つ星は、すべてハイパーノバではなく通常の極超新星(エネルギー約10の51乗エルグ)から生まれたと考えるほうがより有力であることが判明した。さらに中性子星合体の産物を組み合わせた枠組みでも、その星の特異な元素パターンがより良く説明できることが分かったのだ。

アガルワル博士は「これまで見てきたハイパーノバの証拠はすべて一瞬にして消えた」と述べており、既存の理論の脆さを端的に指摘している。ハイパーノバという現象そのものが、天文学の描像から消える可能性が高まったということだ。

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出典: Universe Today