SpaceXの宇宙データセンター計画が生み出す新たな宇宙ごみの問題
Elon Muskが提案している100万機規模のAIデータセンター衛星群構想は、単なる宇宙開発の野心的計画ではなく、地球外への貴重な資源流出を本格的に招く初めてのスキームになるかもしれない。人類は地上の資源リサイクルさえ十分に機能させられていないのが実情だが、この計画は回収困難な宇宙ごみという形で物質を地球の引力圏外へ放出しようとしている。
小惑星採掘による貴金属の地球への持ち帰りについては、宇宙産業が頻繁に語ってきた。だが逆方向の操業—地球から宇宙への資源投棄—を実現する際、人類がどのような判断基準を持つのかは問われていない。
低軌道の物質量が劇的に増加
Starlinkだけでも低地球軌道(LEO)における物体の総質量を2倍に増やしてしまったが、SpaceXのこの軌道データセンター衛星群計画はそれをはるかに上回る規模となる。同社が5月29日にFCC(米連邦通信委員会)に提出した書類によれば、この構想には約100万機の衛星が含まれている。
データセンター用GPU(グラフィックス処理装置)の想定耐用年数は約5年であることから、提案されている100万機のうち毎年約20万機の衛星が廃棄対象となる。このうち約4万機は確実に軌道を外れて大気圏で焼却される予定だという。
アルミニウムによるオゾン層への脅威
大気圏で焼却される衛星の物質は全球に拡散する形で大気中に放出され、資源が弥散性の汚染物質へと変わることになる。特に懸念されるのがアルミニウムで、数十年の期間を通じてオゾン層の喪失量がどの程度になるかは未だ不明である。
残る約16万機の衛星については、地球から遠く離れた「処分軌道」へ移動させることが検討されている。地表での資源回収が困難な上、このような処分方法によって宇宙空間そのものが新たなごみ処分場へと変貌していく可能性が指摘されている。
